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ー希望ー22

「君が直ぐに答えないところを見ると、君は実琴のことはそんなに好きではなかったってことになるね。君は分かりやすい性格なんだね」  颯斗は一息吐くと、実琴の方へと視線を向け、 「とりあえず、今は梅沢さんのことはいいじゃないか……君は今、私と付き合っていて幸せだと感じてくれているのなら、過去のことは忘れてしまった方がいいよ」  颯斗はそう言うと、実琴の額へと軽くキスをする。 「そうだね。今、僕は颯斗といる方が幸せだしね」  実琴は颯斗に向けて笑顔を向ける。  流石に和也にとって実琴は昔の恋人だったこともあってか、颯斗と実琴のやりとりに少し嫉妬したものの、とりあえず今は幸せそうな実琴を見て息を吐く。 「って、それはいいとして……もう一度聞く!お前は俺のことは特に興味はなかったってことだよな?」 「とりあえず、あの事について僕は院長に頼まれたことだからね。君のことは別にって感じだったけど……。しかし、院長が考えていることは分からないよ。前に僕が入院した時はたまたまだったってことかな? 本当は本宮裕実さんと一緒に入る予定だったんだけど、日本に帰国してから足を骨折してしまったんだよ。それで、入院ってことになって、本宮裕実さんより働くのが遅くなってしまったって訳。その辺りで院長が私が入院している部屋に入って来て、梅沢さんと吉良先生と桜井先生のことを聞いたんだよね」 「それで、お前は俺達のことを知っていたって訳か……」 「まぁ、そういうこと……。院長とは年は離れてはいるけど、私と話が合うみたいで、私はその院長が考えたことに賛同してしまったのだけどね。その計画、Sな私としては面白そうだったし」  颯斗はクスクスと鼻で笑うと、 「まぁ、少しは本宮裕実さんのことで嫉妬していたからってのもあるんだけどね」 「ってことは、お前も裕実のことを狙っていたってことか?」 「まぁ、そういうことになるかな?」 「って、裕実はお前になんか渡さないからな!」  和也は颯斗のことを睨み上げながら、裕実を庇うように抱きしめる。 「何も警戒しなくても大丈夫だよ。私にも今は実琴が居るんだから」

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