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ー希望ー24
「ああ、ありがとう……」
颯斗は和也に向かい、笑顔を見せる。
「そう言えば、桜井先生は前までは医者ではなかったですよね? 確か消防士でしたっけ? 何故、医者になられたのですか?」
「ま、話をすると長くなっちまうんやけど……。 まぁ、ホンマに自分がやりたい職業だったのかもしれへん」
「そう言うけど……雄介は凄いんだぜー。お前は今、雄介の職業は消防士って言ってたけどさぁ、雄介は消防士でもあったけど、その上のレスキュー隊員でもあったんだよ。レスキュー隊員になるのって大変なんだぞー。体力も必要だしさ、頭も良くなきゃ出来ない仕事だし、要は雄介は何気に完璧な人間って訳」
「って、それは私が聞いた答えにはなってませんけど……。私はどうして桜井先生が医者になったのかを聞いているんです」
「まぁ、とりあえずな……今まで俺達には色々あったんよ。それで、俺は望達と出会って、色々と学んで来て、やっと自分がやりたい職業を見つけたって訳だ。俺は今まで自分がやりたい仕事ではなく、親が消防士やったから、親の背中を見て育ってきた訳やけど、望達と出会って、恋人を置いて先には死ねないとかって思うて、そしたら、あんな危険な仕事も出来へんし、そこで、望の親父さんから診療所を開くからもう一人医者がいるとかで、俺は余計に医者になろうって思うてな……こうして今は医者になったって事なんだって」
「それで、君は医者に……?」
「雄介は体力もあるし、頭もいいから、医者には向いてるんじゃないか? まぁ、決断力には欠けてるかもしれねぇけどな。まぁ、それは仕方ねぇよなぁ、今までの雄介の仕事は『上の命令は絶対!』って仕事をやっていた訳だし、それで、いきなり決断力を求められちゃー、大変だよな。雄介は優しい性格だしさ、その優しい性格が邪魔してるから、とりあえず雄介に足りてないのは、その決断力だけだと思うぜ」
「梅沢さんって、いつもふざけているイメージがありますけど、しっかりと人のことを見てるんですね。でも、私のことはよく知らなかったみたいですけど……」
「俺は基本、興味ないモノに関しては興味ねぇんだよ……だから、お前のことは興味なかったんだよ」
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