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ー希望ー42

 洗濯物を洗濯している間に、雄介は掃除機をかけ家事をこなしていく。  しばらくして、洗濯機が洗濯を終わらせたことを音で知らせてくると、雄介は洗濯物を干しに庭へと向かう。  今日は快晴で洗濯日和だ。  風も温かく、このまま芝生の上に横になって寝ていたいくらい気持ちがいい日である。 「たまにはええよな……」  雄介はそう独り言を漏らすと、芝生の上に大の字に横になり、青空を見上げるのだ。  地球を温かく照らす太陽。  さすがに眩しすぎて雄介は瞳を閉じると、聴覚が研ぎ澄まされ、鳥のさえずりや風の心地よい音が聞こえてくる。  日々忙しい時を過ごしていた雄介だが、久しぶりに自然に癒されているような気がする。  だが自然は、たまに牙を向く。  その自然が牙を向けば、さすがの人間でも太刀打ちすることはできない。  人間は過去から文明を発達させ、より良く便利な生活を送ってきたのだが、未だ自然には勝てない。  地震や雷、大雨から人間は逃げることしかできない。  雷や大雨も人間を震え上がらせる自然の脅威だが、普段静かな太陽でさえも、現代の真夏の太陽というのは人間にとって危険である。  真夏になると、熱中症患者が増えるくらい、今の太陽というのは熱い。  太陽というのは過去の時代から地球を見てきている。  恐竜が生きていた時代から今まで太陽は存在し続けているのだから、地球の過去を見てきた生き証人であろう。  太陽と話ができたなら、今までの地球の動きは一目瞭然だろう。恐竜はどんな風に絶滅してしまったのか? 今の人類にとって、その時代のことは謎で、未だに研究が行われているくらいなのだから。  今まで瞳を閉じていた雄介だが、ヘリコプターの羽音に目を覚ます。  そのヘリコプターを見上げると、白色がメインで赤ラインの入ったヘリコプターだ。  前に雄介が働いていた消防庁では、ヘリコプターのメイン色というのは赤なのだから、今飛んでいるヘリコプターは消防庁のヘリコプターではない。  青ならば警視庁。白メインで横に赤のラインが入っているヘリコプターは、雄介からしてみたら見たことがないようだ。  雄介は首を傾げながら立ち上がると、体を伸ばし、部屋の中へと戻る。  ふと気付くと、望はソファに座り、テレビを見ている姿が目に入ってきた。

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