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ー信頼ー26
雄介は子供達の方に顔を向けると、
「まぁ、そういうこっちゃ。俺は医者になる前は消防士やったんやで……。まぁ、そういう事やから、消防団を作ろうと思ってるんやけど、手伝ってくれるか?」
なんて事を子供達と話していると、和也がいない事に気付く。
雄介は和也がいないことに気付きながらも話を続ける。
「うん! やる!」
「ほなら、ちびっこ消防団結成やんな!」
フッと雄介はさっきまで居なかった和也の気配に気付くと、和也の方は急に、
「雄介が消防士だったっていう証拠だぜ」
そう言うと、どこから出てきたのか、雄介がレスキュー隊員だった頃の写真を子供達に見せる。
「わぁー! 本当だ!! これ、雄介じゃん!」
「まぁ、これは消防士の頃じゃなくて、消防士の頃よりももっと上のレスキュー隊の写真なんだけどさ、知ってるか? 消防士よりレスキュー隊の方が凄えんだぜ!」
そう自慢げに言いふらす和也に、雄介の方は少し赤くなりながらも、急に和也の方に小さな声で、
「……って、その写真どっから出て来たん?」
「ん? これか……望に借りて来た」
その和也の答えに、さらに雄介は首を傾げる。
「望に借りて来たって?!」
「どうやら、望はお前の写真を財布にしまっているらしいぜ」
しかし、この写真を撮られたという記憶がない雄介。確かに、この写真というのは雄介の笑顔の写真ではあるのだが、若干遠い位置から撮られているようにも思える。
「あ、あー! この写真な……俺が撮った写真なんだよ。前に春坂消防署の前を通った時に、たまたま雄介達が訓練とかしてて、その休憩中みたいな時だったかな? それで、撮って、望に送ってやろうと思った写真だったんだけどよ。ま、なんかいい写真だったから、写真にして望に渡しておいたって事だよな」
その和也の説明を聞いて、少しばかり納得し、安心したようだ。和也からその説明が無ければ、ストーカーか何かが雄介の写真を勝手に撮り、ネットかなんかでアップされているのかと思ったようだった。
「ほなら、良かったわぁ」
「まぁ、黙って撮った俺も悪いんだけどさ。でも、俺は望の為にお前の写真をこっそり撮ってたりしてんだよ」
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