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ー信頼ー74

 望が指一本で慣れてくると、雄介は指の数を増やし望の中を解していくのだ。 「もう、そろそろ大丈夫そうか?」  そう雄介は心配そうに聞くのだが、望の口から返事がある訳ではなく、そこはもう雄介の判断で動いていくしかないだろう。 「ま、ええか……」  雄介は独り言を漏らすと、 「ほな、今日は気分を変えてバックでしようか? 四つん這いになって……」  だが、その雄介の言葉に望の方は動こうとしない。  そして望は小さな声で、 「バックは……嫌だからな……。 その……お前の顔が見えないからさ……」  その望の言葉に雄介は一瞬目を丸くした後に軽く望に向かって微笑むのだ。 「せやね……望の言う通りやわぁ……ほな、いつも通り普通にやね……」  雄介は望の肩に両腕を回し、 「これなら、顔見れるやろ?」  雄介の言葉に望は微笑むと、望も雄介の肩へと腕を回すのだ。 「ほな……ゆっくりな……。 久しぶりやし、痛かったら言うてな……」  望はその雄介の言葉に軽く頷く。  雄介はゆっくりと腰に力を入れ望の中へと腰を進ませて行く。  流石に指とは違う太さと痛さに無意識のうちに力を入れてしまっていたようだ。 「ゆっくりでええから、息吐いて……そしたら、体から力抜けて来るし……」  望は雄介の指示通りにゆっくりと息を吐いて行く。 「せやせや、ゆっくりでええからな……」  息を吐いた事でゆっくりとあるのだが、望の体から力が抜けて来たのが分かると、雄介は更に望の中の奥へと進ませて行く。  やはり久しぶりの行為で少し痛むのであろうか。 望の額からは生理的な汗なのか、それとも脂汗なのかは分からないのだが、滲み出ていたのだから。 「スマンな……久しぶりに付き合わせてもうて……」 「いいんだよ……俺が求めてたんだからさ……だから、謝る必要なんてねぇんだからな……」 「結構、慣らしたつもりやったんだけど、やっぱ、まだ、痛むか?」 「心配すんなって……大丈夫だからよ……。 お前は心配し過ぎなんだよ。 それよりか早く動かせ、逆にこの状態の方が辛いんだからな……」 「……へ?」 「分からねぇのか? 中途半端が一番辛いんだからよ……」  雄介は望の言葉にまだ頭がハテナマーク状態のようだ。 片眉を上げ、考えてしまっているのだから。  だが次の瞬間には望が今言っていた事が理解出来たのか、

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