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囚愛《雅side》1

高校を卒業したら、俺はエリックにプロポーズするんだ―… 「《エリック・ブラウンです。本日より雅様のお世話をさせていただきます》」 4歳の時、エリックは俺の執事になった。 金色の長い髪と、綺麗な青い目に吸い込まれそうになったのを今でも覚えている。 「エリック!これは読める?」 「《うーん…何でしょう。漢字は難しいですねぇ》」 「《デンコウセッカ、だよ。凄く早いって意味》」 「《なるほど。雅様は物知りですね》」 「日本語だけならエリックに勝てるよ。僕がエリックに日本語を教えてあげるね」 「《ありが―…あぁ、返事は日本語ででしたね》ありがとうございます」 エリックのその優しい笑顔が好きなんだ。 1日のほとんどをエリックと過ごし、自宅で講師をつけて日本語を勉強した。 「雅様」 そして俺は10歳のときにエリックに恋心を抱いていると気付いた。 その時から毎年エリックの誕生日に白い薔薇を1本プレゼントしている。 「愛してるよエリック」 「ありがとうございます。私も愛していますよ雅様」 俺の愛をいつも子供扱いするエリック。 薔薇の花言葉知らないの? 確かに10歳の俺が、30歳のエリックに愛してると伝えたところで本気になんかされないの分かってる。 でも本気なんだ。 本気で愛しているのに。 一人の男として見て欲しくてたまらない。 「さぁ、学校へ行きましょう」 「うん」 エリックを好きになって3年が経ち、中学へ上がると同時に俺はMY学園へ入学した。 理由は2つ。 まず1つめは、家からさほど遠くないから。 本来MY学園は寮での生活を推奨しているが、俺はエリックと離れるなんて考えられないから自宅から通っている。 そして2つめはMY学園は山田財閥が運営している学園で、俺が三科雅彦とソフィア・フローレスの息子だということを内密にしてもらえるから。 俺の本名はフローレス・雅・三科。 母さんの本名はソフィア・グランドール。 モデル活動時はソフィア・フローレスという芸名だった。 俺のファーストネームは母さんの芸名のフローレス、ミドルネームは父さんの漢字を使った雅を名付けられた。 だけど学校では三科姓は使わず『フローレス・雅』として過ごし、ダンスの大会ではMiYaViとして登録している。 だから俺が2人の息子だということを知る人はほぼいない。 知られたら大変なことになると昔からエリックとテリーは言っていた。 18の時から世界のトップモデル10人に毎年選ばれていた三科雅彦は射殺され、人気絶頂だったソフィア・フローレスも消息不明。 まぁ確かにその息子だとバレたら騒ぎになるかも。 だからこの事実を知ってる人を好きになるなら問題ないよね? エリックは俺の全てを知ってるんだから。 あぁもう早く俺のものにしたい。 早くプロポーズがしたい。 俺は18になって高校を卒業したらエリックにプロポーズするんだ。

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