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囚愛《雅side》2

俺は日本に来た4歳の時からダンスを習っている。 ジャンルは様々で、ストリートダンス、ヒップホップ、ジャズ、ラテン、バレエ、K-POP―… これを月に1ジャンル学校から帰宅した平日17時~20時までの3時間、家のダンスルームで専属ダンサーの先生に教わっている。 そして祝日は7時間、プロのダンサーたちに交じって動きにズレが無いかのレッスンを受ける。 学校にダンス部はあり有名ではあるが、団体のダンスは自我を出しすぎてしまい一人だけ浮いてしまうので結局は部に属していない。 まぁあと、あまり絡みすぎて身バレするのも避けたいし。 それでもアマチュアの大会に出ては数々の賞を獲ってきた。 そして俺が15歳のとき、U-15のダンス大会に出場することになった。 いつも大会はエリックと遠征するから、その日俺は決めていたんだ。 ―…エリックを抱く、と 「テリー」 「はい、雅様」 テリーは母さんの専属執事。 ついでにいうとエリックとテリーは執事学校の同級生。 「ダンス大会のときに泊まるホテルで、頼みごとがあるんだけど。ツインじゃなくてダブルにして。俺はその日エリックを抱く」 「―…かしこまりました」 U-15の大会当日。 ダンスの結果はもちろん優勝。 でも俺はそんなことはどうでもよかった。 今日の大会のメインはダンスじゃない、エリックとのMake(セッ) love(クス)だ。 「ツインではなくてダブル…ですか?」 「ええ、部屋にトラブルがありまして…」 「困りましたね…」 「いいよエリック。どうせ寝るだけだし」 「すみません、雅様」 ホテルのフロントで俺たちの部屋がツインじゃなくダブルになっていて少し焦ったようだねエリック。 これはテリーに仕込ませた作戦である。 ありがとう、テリー。 優秀な母さんの執事よ。 「雅様―…?」 「エリック…好きだ」 ディナーを済ませ、シャワーを浴びる前にエリックをベッドに押し倒し首筋を舐めると、彼はその行為に戸惑っていた。 余裕のない俺は自分のズボンをさげ、エリックのシャツのボタンをはずし、エリックの裸体を見た瞬間―… 「―…!!」 我慢できずに果ててしまった。 エリックは自分の腹部に放出された俺の精液を拭き取りながら、笑顔で俺を見つめて言う。 「ふふ…雅様もそういうお年頃なのですね。言ってくだされば練習相手になったのに」 恥ずかしい。 恥ずかしい。 恥ずかしい。 「さぁ、もう寝ましょう」 そのエリックの余裕の発言がムカついた。 絶対にエリックを満足させられるぐらいになってやる。 絶対に、絶対に、絶っっ対に、エリックを満足させてやる。 「テリー…エリックの弱点が知りたい。どこが性感帯なのかとか」 「雅様、エリックは強敵です。性欲が全く無いのです。なので35年間ヴァージン(未経験)です」 「え?」 聞くとエリックは執事学校時代、恋人を切らしたことはない。 ただし、性欲が全く無いため勃起しない体質だと分かるといつもフラレたと。 「俺も最近知ったんです。あいつ学生時代は引っ切り無しに恋人がいたので百戦錬磨だと思ってたんですが、酔った勢いでヴァージンだと教えてくれました」 「へぇ」 「なのであいつを満足させるのは無理かと―…」 なら、尚更やってやる! リベンジしてやる! 俺がエリックのヴァージンを奪う!

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