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囚愛《テリーside》3

「テリー…エリックの弱点が知りたい。どこが性感帯なのかとか」 「雅様、あいつは強敵です。性欲が全く無いのです。なので35年間ヴァージンです」 「え?」 俺が事実を伝えるとその時の雅様は驚きと期待でか、目が輝いていた。 そしてボソッと「《2年後にリベンジだ》」と英語で呟いていた。 「《テリー》」 「《はい、ソフィア様》」 「《雅は初体験に失敗したそうね》」 「《なぜそれを―…》」 「《雅が私に言ってきたの。悔しそうだったわ。2年後にリベンジするって。次は必ず成功させてあげたい。テリー、協力してあげね》」 「《かしこまりました》」 推し…いや、主に笑顔でそんなこと言われたら成功させるしかないじゃないか。 ―2年後 ソフィア様の言いつけもあり、ブラジルの知り合いから媚薬とコンドームを取り寄せ、U-18の大会前に雅様にプレゼントをした。 「ブラジルの知人から貰った媚薬です。100mlに対して2滴で効果は抜群だそうです。こちらをプレゼントしましょう」 「ありがとう、テリー」 「あぁ…あとこちらも」 「コンドーム?」 「はい。エリックは真面目ですからね。コンドームを装着せずに中に出したら失望されますよ」 俺も同僚を売るのだ。 そこら辺はきちんと釘さしておいてやらないとな。 「確かに。それは嫌だな。俺もエリックを大切にしたいし」 「このコンドームは特殊なゴムで出来ています。先程の媚薬の液がゴムに塗り込まれています。装着しただけで内からも外からも快感になるので、エリックも感じずにはいられないかと」 まぁ、勃起すればの話だけど。 しなかったらごめんなさい。 そこまでは知らん。 「成功しますように」 「ありがとう」 そして雅様の決戦の日がやって来た。 「《雅とエリックは上手くいってるかしら》」 「《今回はきっと大丈夫でしょう》」 「《だといいんだけど》」 同僚のヴァージンが無事に奪われることを祈っている俺たちは何なんだろうと思いながら、成功したらソフィア様が喜んでくださるのだと雅様を応援している自分がいた。 帰宅後、エリックはいつもと変わらない表情だった。 抱かれてないのか? 「ただいま母さん♪テリー♪」 ―…あ、これは無事に抱いたな 「テリーありがとう。最高に盛り上がった夜になったよ」 「そうですか。それはよかったです」 「最終日は観光をしようと予定していたんだけど、丸1日エリックを抱き潰した。おかげでコンドームが無くなったよ」 待てよ…確か俺は1箱あげたよな? 「―…24個入りでしたよね?使いきったんですか?」 「うん。シーツが汚れないように、エリックにも装着したから」 「―…いや、それでも二人合わせて24回も?」 「貰った媚薬全部飲んじゃったし、3分の2ぐらいはエリックが使ったんじゃないかな」 あの強力な媚薬も全て…? …あぁすまんエリック、俺が雅様にプレゼントしたもののせいでお前の初体験が激しすぎて。 「エリック…その…」 「なんだテリー?」 「体調…大丈夫か?」 「―…問題ない」 問題ありまくりの顔じゃないか。 あのエリックがついにヴァージンを失った? しかも20も年下の青年に? 元主の息子に? いやぁ、これは本当に明日の執事学校の新聞記事に載るぞと心の中で笑った。 ソフィア様も喜んでいるし、めでたしめでたし …の、はずだった それから半年後― ある日の夕方、話があるとエリックの部屋に呼ばれた。 「テリー、私の体はおかしい。雅様が相手だと勃つんだ…自慰をしようとしても勃たないのに。あの時盛られた薬のせいなのか」 「いや…あの媚薬の効力は24時間と聞いている」 しまった。 俺があの媚薬の情報を知っていることがバレたら怒られる… と思った瞬間、ベッドに押し倒された。 馬乗りになり、鬼の形相で俺を怒鳴るエリック。 「“お前だったのか雅様にあの媚薬やローションやコンドームを渡したのは!!”」 やばい、ドイツ語だ。 こいつがドイツ語を話すときは相当怒っている時。 「“ろ、ローションは知らん!”」 「“ローション以外は貴様なんだな!?同期を売るとはいい度胸だ。日本には切腹という習わしもある。してみるか?”」 気付けば左手にナイフを持っていた。 いつの間にそんなものを―… 「“ナ…ナイフ降ろせよ。仕方ないだろ、ソフィア様の命令だったんだから”」 「“ソフィア様が?雅様の性の練習相手に私を任命したということなのか?”」 「“練習っていうか…”」 「“まぁいい…。薬がまだ体内に残っているのかも―…だからテリー、お前私を抱いてくれないか?”」

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