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囚愛《テリーside》4
「なっ!」
何を言い出すのかと思えば。
いや、抱けるわけないだろう!
俺が勃たん!
「予想なんだが効力は24時間なのに雅様に欲情するのなら、もう1度あの薬を飲んでお前とセックスすれば、テリーにしか勃たなくなるんじゃないかと思ってる」
急に日本語になりやがって。
冷静に何を言い出すかと思えば…
「ふざけるな!俺はお前とするつもりはない!もしそうだとしたら今後エリックは俺に欲情するってことだろ?」
「雅様に欲情するよりはいいだろ。お前でも勃つのか検証したい」
こんのド真面目執事!
検証って何だ。
イヤだそんなの。
勝手にずっと雅様に欲情してろ!
「俺は女が好きなんだ!」
エリックはベッドから降りて、自分の机から何かを持ち出し、それを俺に見せつけた。
「ならいいじゃないか。後腐れなくて。あぁそうだ。手伝ってくれたら、ソフィア様の初回版の1st写真集をやろう」
「!」
―…ソフィア様の1st写真集初回版!?
初回版は水着がギリギリまで食い込んでいて、やはり恥ずかしいからと100部しか発行されなかった幻の写真集だぞ!
ほ、欲しい。
こんなことが雅様にバレたら俺は殺されそうだ。
ただ、ソフィア様の写真集が貰えるならお前に従おう。
俺は直ぐ様その写真集を手に取った。
「いいかエリック、お前を抱くのはソフィア様の写真集のためだ。決してお前を抱きたいからじゃない」
「分かった。いいから早く媚薬を持ってこい」
そう言われ、媚薬を取りに一度自分の部屋に戻った。
まさかエリックとこんなことになるとは。
確かにエリックは美人だ。
執事学校でも一番モテた。
そんなやつから、こんなことをしてほしいと言われるなんて。
「100mlの水に2滴で充分なんだ」
瓶の蓋を開け、自分の小指に1滴垂らし、それをエリックの唇に塗り、その媚薬を舐めとるようにキスをした。
「ん―…は」
キス…うまいじゃないかエリック。
こいつ本当にヴァージンなのか?
いや、もうヴァージンじゃないのか。
耳を舐め、首筋に吸い付くと吐息が漏れる。
「はっ―…ん…」
おいおい、落ち着け俺。
相手は男だ。同僚だ。
なに興奮してんだバカやろう。
エリックをベッドに押し倒し、キスをしながらシャツを脱がし、白く綺麗な肌に吸い付いた。
「んっ!―…は、あ…」
そのまま口を乳首へと移動させ、舌で舐め、唇で愛撫をすると体をびくびくさせる。
「あっ、―…アッ」
俺の舌テクをナメるなよ。
舌だけで何人の女を満足させたと思ってる?
男だって一緒だろ。
「あっ、んっ!テリーッ…は…」
20分ほど乳首を攻め、息を切らしているエリックの顔を見上げる。
―…綺麗だ
ああもうこうなったら盛大にイカせてやる。
最後までやってやる。
エリックは女
エリックは女
エリックは女
そう自分に暗示をかけて、そしてエリックの股間へと手を伸ばす。
「…!…勃起してない、だと?あんなに感じてたくせに!?演技だとしたら凄いぞエリック」
「そうなんだ。自慰をしようとしても勃たない。やはりテリーでも同じか。雅様に毎回抱かれるときはキスをされただけで硬くなるのに」
媚薬の効果は24時間だ。
それなのに半年経っても雅様限定で勃つってことは、雅様はお前の運命の相手なんじゃないのか?
こいつの体が無意識で雅様を求めているんじゃないのか?
「テリー、もう終わりでいい。すまなかった。…それ、口でしてやろうか?」
「いや、いい。自分で処理してくる!」
今にも爆発しそうで硬くなっている俺の股間を指差されて焦った。
このままエリックに口でされたら、俺は新しい扉を開いてしまいそうだ。
危なかった。
俺は女が…ソフィア様が好きなんだ!!
エリックの部屋を出ようとしたその時、ドアが開く音がした。
「なにしてるの二人で?」
「みっ、雅様!」
乱れた着衣をベッドの上でゆっくりと直すエリック。
股間を押さえて部屋を出ようとして声が裏返る俺。
ドアを開けて冷血な目と笑顔でこの状況を見る雅様。
―…恐ろしい
「雅様、ダンスは?」
「先生が体調悪くて。帰った」
「そうでしたか。では、俺はこれで―…」
部屋を出ていこうとする俺の目の前に、雅様の腕が音速で現れ、それと同時に壁が割れそうなほどの低音が響いた。
そして笑顔で俺を見つめて言う。
「あとでこの状況の説明をしてね、テリー♡」
「…」
「RITE ?」
「は、はい…」
笑っているのにずいぶんと殺意のある壁ドンと威圧のある「分かったか?」だな―…
17のくせに、ふと見せる表情が三科雅彦なんだよな。
恐ろしい。
頼むからもう二人とも俺を巻き込まないでくれ。
俺はそう思いながら部屋を後にし、なぜこんなことになったのかと自慰をしながらため息をついた。
【to be continued】
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