32 / 82

囚愛Ⅱ《雅side》6

月明かりに照らされたエリックを見下ろすと、エリックは俺を見つめて、手を頬に伸ばして言った。 「雅様…お願いです。今日は忘れられない日にしたい。だから気の済むまで私を抱いてくださいますか?」 何を言い出すのかと思えば。 そんなの答えはYESに決まっているのに。 「もちろん」 俺がそう言うとエリックは微笑み、両腕を首へ回してキスをした。 ジャグジーでの行為でまだ火照っているエリックの舌から伝わる体温でさえ、こんなにも愛しい。 「綺麗だよエリック」 俺はエリックの耳元でそう囁き、首筋を吸い、耳を舐める。 「あっ―…は、―…ん」 その行為だけでエリックは体をビクビクさせる。 耳を舐めながら、俺とのセックスで開発された乳首をいじる。 爪の先でカリカリと弄ったり、指先で上下左右にはじくように触ったり、指の腹でコロコロ転がす行為を繰り返す。 「アッ―…ん、は―…アッ。あっ」 そしてそのまま首筋から乳首へと口を移動させ、乳輪をなぞるように刺激してから、甘噛みをしたり、唇で挟むように吸い付いたり、上の前歯と舌を使って噛んだり。 両乳首を弄られ、もうエリックの固くなっている先端からはトロトロした液体が溢れていた。 「あっ、あっ―…雅様…んっ、は…ぁ」 その先端を手のひらで回しながら液体を回収する。 数秒間だけ扱き、その手をエリックの秘部へと移動させて指を挿入した。 先ほどジャグジーで解したお陰で、エリックのナカは準備は出来ているのがすぐに分かった。 「エリック…もう欲しい?」 ゆっくりと指を出し入れしながら、エリックの表情を確認した。 月明かりに照らされて感じながら頷くその姿を見て、返事なんて聞く前に枕元に用意していたコンドームに手を伸ばす。 するとその手を掴んで、俺を見つめてエリックが言った。 「雅様…今日は…コンドーム…無しで…」 エリックらしくない発言に俺は戸惑った。 いや、俺だってコンドーム無しでヤリたい。 めっちゃくちゃヤリたい。 ヤリたいしか勝たない。 俺の精液をエリックの中にぶちまけたい。 何度も何度も奥まで出してエリックを俺で満たしたい。 でもこれはエリックの試練なのかもしれない。 入籍前にパートナーを大切にしてるかどうか確かめているのでは? 脳内でそう考えること数十秒、俺は深呼吸をして紳士ぶってみせた。 「エリック…それは俺の奥さんになってから。卒業してから、ね。君を大事にしたいんだ」 その発言にエリックは掴んでいた手を放して微笑んだ。 コンドームを装着しながら、その笑顔を早く壊して快感に溺れさせたいと思った。 「あっ…」 硬くなって早くナカを堪能したがっている俺のモノをエリックの秘部に押し当てて、ゆっくりと挿入した。 奥まで入ったことを確認し、エリックを見つめる。 俺の視線に気付くとエリックはすぐさま顔を反らした。 「どうして顔を反らすの?」 「―…恥ずかしくて」 「今更じゃん」 そう言ってエリックの右手に自分の左手を重ねて手を握り、キスをしながら腰を揺らした。 「ふ―…あっ―…ん、んんっ…あっ」 奥を突いて出し入れする度に、俺の左手をぎゅっと握るエリックが愛しい。 キスをしたり、耳を舐めたり、首筋に吸い付いたりしながらしばらく腰を揺らすとエリックの手に力が入った。 「はっ―…あっ、雅様っ…アッ、…イ…くっ!…イ、クッ」 呼吸が荒くなりイキそうに喘いでいるエリックを見つめながら、更に腰の動きを速くした。 「いいよ、イッて」 「アッ、は、んんっ―…アッ、あっ、イ…く、イクッ…イクッ―…」 そう言うとエリックは自分の腹部に精液を放出した。 それに興奮した俺も、すぐにエリックの奥で果てた。 まだ硬い自身をずるりと抜いて、新しいコンドームを装着する。 息を切らしているエリックにキスをしながら腹部にあるエリックの精液を手で救い、馴染ませ、その指をエリックの秘部に挿入した。 「あっ…ん、―…アッ」 「まだ俺の形になってるね」 そう言って指を抜き、エリックの腰を掴んで体を回転させて、寝バックの体勢になり再び硬くなっている俺のモノを挿入した。 「雅様、や…待っ―…アァッ!か、おっ…!アッ、あっ…かお…」 両手でシーツを掴みながら、俺が突く度に頑張ってこちらを見て喘ぎながら必死に何か伝えようとするエリック。 「何?」 「…アッ!雅様、あっ、んん…顔、見た…アッ!顔をっ…見たい、です」 意外な言葉にさすがの俺も動きを止めた。 「顔を見たい?俺の?」 「雅様以外に誰がいるのですか…」 普段顔を見られるのが苦手なエリックが? だから正常位が嫌いなエリックが? すぐに手で顔を隠してしまうエリックが? 「エリックの顔を見ながら気の済むまでセックスしていいの?」 「はい」 「地球が滅亡するまで抱くけどいい?」 そう俺が言うと、エリックは笑いながら体をこちらに向けた。 「地球の滅亡と雅様の体力、どちらが早く尽きますかね」 「なら試してみようか」 そんな冗談を言って笑い合い、月明かりに照らされた白薔薇のように綺麗なエリックを見下ろし、両手を握る。 時間を忘れてエリックの感じている顔を何度も見ながら気の済むまでセックスをした。 気付けばエリックの誕生日が終わり、深夜2時になっていた。

ともだちにシェアしよう!