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第31話 本編
映画の予告が終わり、本編が始まる。
ヒロインが幼馴染みとバスケ部の先輩の両方と仲が深まり悩む様子を観ながら、ポップコーンとコーラを交互に口に運ぶ。
自分がもしヒロインだったら、こんなにかっこいい人達からのアプローチなんて断れなさそうだ。
でも、幼馴染み役の俳優の見た目は、髪をセットした時の憂太に少し雰囲気が似ているから、「俺なら幼馴染みの子と付き合うかな」とも思った。
映画館の大きなスクリーンの中では、幼馴染役の俳優が同じ高校の女子たちから言い寄られている。
俳優と憂太を重ねて見ていると、憂太はどんな高校生活を送ってきたのだろうと気になった。
「(学ランだったのかな、それともブレザー?…憂太は背も高いし、ちゃんとすればかっこいいし、後輩受けというよりも、先輩受けの方が良かったのかな…)」
想像すると様子が気になって、隣にいる本人をチラッと見る。
こちらの視線に気がつく様子はなく、ホットカフェオレを片手に持ちながらしっかり前を向いている。
映画を見入っている人を邪魔するのは良くないなと思って、一旦デートということは意識せずに集中して観ようとポップコーンに手を伸ばした。
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