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第1話

「どっちのチ〇コがいいか、ジャッジしてくれ!」  後藤圭太(ごとうけいた)が、赤澤剛志(あかざわつよし)樋口竜也(ひぐちたつや)からこのような要求をされたのは、夏休みも終わりに近づいた平日のことだった。  自宅で幼馴染み二人のレポート課題に付き合っていた圭太は、一瞬フリーズした後、深々と溜息をついた。 「……何を言ってるんだ、お前らは」 「あれ? 通じてねぇ。じゃあもう一回言うぞ。オレと竜也、どっちのチ〇コがいいかジャッジし……」 「日本語の意味を聞いてるんじゃない。なんで俺がそんないかがわしいジャッジをしてやらなきゃならないんだ」 「いや、それがさ~! 剛志くん、めっちゃ失礼なこと言うんだよ~!」  と、絡んできたのは竜也である。 「なんかね、昨日話の流れで『オレの方が絶対エッチ上手い』とか言い始めて~。何が根拠なのかと思いきや、『オレのチ〇コの方がお前よりデカいから』だってー。しかも僕のチ〇コを『()チン』――あ、これは粗末なチ〇コの略ね――とか言い始めたんだよ~! マジ失礼しちゃう~!」 「…………」  ……ツッコミどころが多すぎて、何の言葉も出て来ない。 「でもさ、そんな単純な大きさで『上手い・下手』が決まるわけないじゃん。大事なのはテクニックなんだからさ。だから一番頭がいい圭ちゃんにジャッジしてもらおうってことになったの」 「断る。わけのわからないこと言ってないで、さっさとレポート写せよ。祭りに行けなくなるだろ」  三人が住んでいる地域では、毎年夏になると大規模な祭りが催される。圭太にとっては大きな楽しみのひとつで、子供の頃から三人一緒に遊びに行くのが定番となっていた。  ただ、未だに課題が終わっていない二人が「レポート写させてくれ」と言ってきたため、圭太は現在家で足止めされている状態だった。本当は午後四時くらいから出掛けたかったのに、既に午後六時を過ぎている。 「あの祭りは夜遅くまでやってるから大丈夫だって」  いつの間にやら背後に回ってきた剛志が、こちらを羽交い絞めにしてくる。

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