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第12話

「そんなくだらない争いしてないで、さっさとレポート終わらせろよ! 誰のせいで祭りに行けなかったと思ってるんだ!」 「そんなに怒るなって。祭りなら来年また行けばいいじゃねーか」 「そうそう。というか、僕としては圭ちゃんとラブラブになってからお祭り行きたかったんだけどね~。そもそもこのジャッジ、『今年はどっちが圭ちゃんとお祭り行けるか』ってことから始まったわけだし~」 「……は? どういう意味だ?」 「だってー、圭ちゃんと仲良くしようとするといつも剛志くんが邪魔してくるんだもん。なんかそういうの、昔からイラッとしてたんだよね」 「それはこっちの台詞だ! まあとにかく『今年こそは決着つけてやろう』ってことで、どっちがいいか圭太にジャッジしてもらうことにしたんだ」  ……その勝手極まりないジャッジメントのせいで、いろいろ大変なことになったのだが。 「んー……でもドローか。やっぱ一回でジャッジしてもらうのは難しいのかなあ?」 「よっしゃ! それなら圭太が『剛志の方がいい』って言うまで、これからもジャッジ続けよう!」 「ふふん。いいけど、剛志くんは絶対勝ち目ないと思うよ~。僕の方がいいに決まってるし。ねー、圭ちゃん?」 「ケッ! 粗チンなお前がいいわけねーだろ。ぜってーオレの方がいいよなー、圭太?」 「……。……もう勝手にしてくれ」  怒る気力も削がれてしまい、圭太は溜息混じりにそう答えた。 (……これは永遠にドローだな)  どちらか片方なんて選べない。剛志も竜也も、どっちも好きだ。やっぱり自分は三人で仲良くしているのが一番しっくり来る。  もっとも、夏祭りの思い出が『3Pジャッジ』にすり替わってしまったのは、ちょっと残念だけれど。

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