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第11話

「……お前ら、マジで覚えてろよ」  痛む腰を押さえながら、圭太は剛志と竜也を睨みつけた。  目が覚めたら午後九時近くなっていて、夏祭りも終わりの時間に差し掛かっていた。今から行っても間に合わないだろう。  もっとも、ここまで腰痛がひどいと出掛けようにも出掛けられないのだが。 (くそ……)  毎年三人で祭りに行くことに意義があったのに。  年齢を重ねていけば、いつまでも子供の頃と同じではいられなくなる。環境も変わるし、周りの友人も変わるし、一緒にいる時間も減っていく。  だからこそ、年に一回だけは三人で祭りに行きたかった。初めて友達になった二人と初めて遊びに行った場所で、大事な思い出を更新したかった。これを更新している限り、二人とはずっと仲良くしていられるような気がしたから。  だけど、それも今年で終わり。これからはきっと、少しずつ疎遠になっていくのだろう。それぞれ大学生活を送って、それぞれ違う場所に就職して、遠い場所で働き、知らない間に家庭を設けて……。 「……わっ!」  ちょっと切なくなっていたら、竜也に後ろから抱きつかれた。 「それで? 圭ちゃんはどっちのチ〇コがよかった?」 「は?」 「『は?』じゃねぇよ。オレと竜也、『どっちのチ〇コがいいかジャッジしてくれ』って最初に言ったよな?」  と、剛志も肩に腕を絡めてくる。 (こいつら、人の気も知らないで……!)  猛然と腹が立ってきて、圭太は二人の腕を振り解いた。 「ドローだ、ドロー! あんな状況で冷静にジャッジなんかできるわけないだろ!」 「なんでだよ? 圭太もオレのチ〇コでめっちゃアンアン言ってたじゃねぇか。ぜってーオレの勝ちだろ」 「何言ってんの。圭ちゃんが気持ちよくなれたのは、僕がイイとこ見つけてあげたからでしょー? 絶対僕の方がエッチ上手いって」 「どっちでもいいわ!」  またもや勝手な口論を始めた二人を怒鳴りつける。

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