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8.
上山の残酷な一言でお世話を命じられた。
姫宮が帰ってきてもあの頃と変わらず、適当に仕事をしていようと思っていたのに。
そうしていた方が姫宮も気負わずに済むとも思ったからだ。
小口なりの気を遣おうとしていた矢先に、いつもの淡々とした口調で厄介事を押し付けられるとは思わなかった。
そんなことを言うのなら、上山がやればいいのに。
現に、あの日から一言も喋らず、表情も変えずにいる子どもの世話なんてどうすればいいのか分からずにいるのだから。
たまに気にかけて、安野や今井、江藤が声を掛けてみるが、あの時のように小口にくっついて、怯えた表情をして首を横に振る仕草をする。
それをする意味が分からない。
だが、上山だけは違った。
あの時、上山が一言発した際、初めて存在に気づいたようで、そちらに目を目を向けた時、驚いた。
まるで、信じられないものを見るような目。
他の三人にはそのような反応を見せたことがない。
何故、そのような反応をしたのか。
それではまるで、この男の子が上山とは以前から知り合いだったようではないか。
その疑問を今すぐにでもぶつけたいところだが、上山は上手い具合にはぐらかしそうだし、男の子の反応からして、言ってはならないような気がした。
兎にも角にも、今はひとまず言われた通りのことをしておくか。
とはいえ、何をするべきなのか。
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