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「······大河。もし、もし明日積もっていたら、一緒に遊んでもいいかな」 言いたいことが言えて、ひとまず良かったと思うのと同時に、気づけば力んでいて、先ほどの家事よりもどっと疲れが押し寄せた。 けれども、そのような態度を表に出してはならないと思い、気を引き締めたまま大河の反応を待っていた。 大河はというと、横目でじっと見つめていたのも束の間、ぷいっとそっぽを向いてしまった。 当たり前の光景となってしまったが、慣れるはずがない態度で、姫宮はズキッと胸を痛めた。 やっぱり、一緒に遊びたくはないか。 「ごめんね。ママとは遊びたくはないよね。だったら、小口さんと一緒に遊んだ方がいいよね······」 「いや、大河さま。素直に頷けばいいじゃないですか」 「······え?」 どういうことと思っていると、小口は続けて言った。 「ただ単に恥ずかしがっているだけですよ。大河さまも初めて見た雪を好き好きで仕方ないママさまと一緒に遊びたいけど、どう誘えばいいのか分からなかったんでしょ。ただ頷けばいいものを。大河さま、そんな態度をいつまでもしてますと、毎日のようにママさまの絵を描いていることをバラしますよ〜」 ま、言っちゃってますけど、と悪びれもなく言う小口は、からかうように大河のことを左右に揺らしていた。 姫宮がそばにいる時、そのような絵を描いているところを見たことがなかったのだが、家事をしている間に描いていたのだろうか。 小口が言うことが事実ならば、そんなにも姫宮のことを。 「ちょ、いたッ!」 大河が小口の手を叩いたようだ。小口が短い悲鳴を上げ、腕が緩んだ隙に小口から離れた大河は玩具置き場へと駆け出していった。 「全く······」 「小口さん、大丈夫ですか?」 「ちょっと痛めたぐらいですよ。気にしないでください」 「ですが······」 「わたしよりも大河さまの方を気にしてあげてください」

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