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そう言われて大河の方を見ると、おえかき帳を開いて、眺めているようだった。
こちらに背を向けている姿は構うなと怒っているようだったが、その小さな姿を見てしまうと、何したって可愛く思え、思わず写真を撮りたくなってしまう。
今も母親である姫宮を描いた絵を見ているのかと思うと、より一層。
「ま、あの様子だとしばらくは一人にしておきましょうか」
「はい」
「明日、一緒に遊んでくれるといいですね」
「······はい」
自分で言っておいてなんだが、普段でも一緒に遊ぶことが叶わないのに、雪遊びも一緒に遊んでくれる可能性がないかもしれないと思うと、言わなければ良かったと思ってしまう。
小口が言っていたように大河の先ほどの態度が恥ずかしがっているのならばそれまでだが、やはり姫宮と遊ぶのが嫌だと思って遊びに行くのを止めてしまうかとも思ってしまう。
そう思えば思うほど、明日のことを考えると憂鬱になってくる。
その日はずっと緊張してしまい、食事の際はいつも以上に喉を通らず、特に安野に激しく心配されるのであった。
次の日。その後も降っていたようで、 見慣れていた街並みが白く染め上げ、見たことがない景色へと変わっていた。
「いい具合に積もってますね〜」
昨日と同じように大河を抱っこしていた小口が、のんびりとした口調で言った。
「本当に······」
困ったような顔を浮かべて、大河の方を見ていた。
一緒に遊んでくれるだろうか。
「さてさて、大河さま。外に行く準備をしましょう」
床に下ろした大河にそう掛けると、少しの間の後、一度頷いた。
頷いてくれたことは良かったと思ったが、小口と遊ぶのならという意味かもしれない。
大河の部屋へ連れて行く小口の二人を目で追っていると、小口が振り向いた。
「ほら、姫宮さまも準備してきてください」
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