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小口に促されるがまま、最低限の防寒具を身につけた姫宮は二人と共に外へ繰り出した。 「すごい······」 「すごいですねー」 部屋からも外を見たが、長靴越しからも感じる雪の感触もあり、目の前の光景がより実感させられる。 雪が降った後って、こんなに寒かったっけ。 肌に刺すような寒さを感じつつ、白い息を吐いた。 「大河さま、これが雪ですよ。踏んでみてください」 手を繋いでいる小口は大河を積もっているところへ行かせようとしていた。 しかし、大河にとっては得体の知れないものということだろう。雪を凝視したまま、エントランス先の大理石から一歩も動かずにいる。 「あんなに楽しそうにしていたのに、やっぱり、実際目の当たりにして怖気づいてしまったんですか」 「⋯⋯大河。ママが誘わなければ外に行こうとしたかったよね。無理しないでお家に帰ろうか」 「ママさまをがっかりさせてどうするんです。一緒に遊びたいのでしょ」 「⋯⋯」 説得してみせるが、やや俯き、口を引き結んだままぴくりとも動かなかった。 昨日のように小口の手を離そうとしないことから、姫宮と一緒に雪遊びをしたいのだろうか。 自分でもどうしたいのか分からないのだろうか。 何か、大河に雪はこういうものだと教えてあげれば、躊躇せず楽しませられるだろうか。 そう思った時、手袋をはめた手で雪をすくって、大河の前に見せた。 「大河、これを触ってみて」 姫宮が話しかけてくるとは思わなかったといった少し驚いているような顔をして、すくった雪を見つめていた。 触ることすら躊躇するだろうかと、何も言わずじっと待っていると、おずおずと指でつんと触れた。 途端、さっきよりも驚いていた。 その思ってもみなかった反応に姫宮も驚いていたが、やがて微笑んだ。

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