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「思っていたよりも柔らかいでしょう。手袋を付けているから分かりにくいと思うけど、冷たいんだよ」 二、三度指先で突っついている大河が少しでも興味を持ってくれたかなと、雪がどういうものかと分かってきたかなと我が子の様子を伺っていた。 そうしていると、今度は積もった雪を再び見ていたのも束の間、恐る恐ると足を踏み入れた。 大河の重み、とはいえ姫宮達ほどではないものの、少し沈んだことで、大河は驚いて足を引っ込めてしまったものの、また踏み入れ、もう片足も積もっている箇所を踏んだ。 「大河、雪ふかふかしているでしょう」 小口に支えてもらいつつ、足踏みしている大河にそう声を掛けてみると、一拍置いた後、小さく頷いてくれた。 目を瞠った。 雪を触った時もそうだが、姫宮の言うことに反応してくれるとは思わなく、気を抜くと視界が滲んでしまうほど嬉しく感じた。 「ママさまのおかげで、雪が楽しいものだと分かって良かったですねぇ。では、このまま歩いて公園まで行きましょうか」 こっそりと涙を拭った姫宮は、自然と横並びとなった際に大河の手を繋ごうと思ったが、自分も雪に慣れていなく、もし、諸共転んだら大河に申し訳なく思ってしまうため、隣に並んで歩くことに留まった。 時折、姫宮も含め転びそうになりながらも、いつもよりも時間をかけて公園へと辿り着いた。 歩道はなんにんも踏み固められて、スケートリンクのような状態になっていた。 公園は地面が土でそれほど踏み固められていないためまだ良い方かと思ったが、油断は禁物だろう。 「マンション前よりかは雪かきはされていないようですね」 「そうですね」 「ま、ちょうどいいです。大河さま、雪だるまを作ってみましょうか」

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