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第12話

 俺はブルブル震える手でスマートホンを顔の上に出した。  雅人に送ってしまったメッセージをもう一度確認する。 雅人『お誕生日おめでとうございます。お互いとうとう十八歳だな。充実した年になるといいですね』 陸也『男同士でつきあうってどういう感じなんですかね。俺は初めてでどうしたらいいのかよくわからないんで、まずは普通に学生っぽいデートからがいいです。どうでしょうか? よろしくお願いします』 雅人『お前、本気なの?』 雅人『これ、俺へのメッセでいいんだよな?』  はあああ?  バカバカバカバカ、俺のバカ。  告白しちゃったじゃん。しかもデートに誘ってるじゃん。  受験勉強するから一緒に帰ることもできないって言ってる相手を、デートに誘っちゃったじゃん。  俺ってバカなの?  いや、バカなんだけどさ。 『悪い、誤爆した。他の人に贈るメッセージだったんだよ』  今すぐそう打てばいいんだ。  お前になんて言ってないよ。俺は、雅人じゃなくて誰か違う人とつきあおうとしてたんだよ。  そう打てば――。  スマートホンを握って焦る俺を後目に、画面には新しいメッセージが表示された。 雅人『急に敬語になるなよ。他人みたいでびっくりするだろ』  それ、昨日のお前のことな!! 雅人『うん、わかった。俺今年絶対うかるから。だから受験終わったら、つきあおうな』  え。  俺の時は再び止まった。  あれ、ひょっとしてこれって。  胸の奥から喜びがこみあげてくる。思わず口元がにやける。  その時、俺のスマホがまた振動した。 雅人『って言うと思ったか?』  え、なに。

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