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濃い匂いに誘われて

何度も何度も唇を喰まれて恐る恐る唇を開くと、待ってましたとばかりに直己さんの肉厚な舌が滑り込んできた。 あ、やっぱりディープキスだ……と思った瞬間には、僕の舌が絡め取られてしまっていた。 「んんっ……ん」 舌先に吸いつかれて、ゾクリと心地よい快感が身体を走った。 こんなところが感じるなんて、直己さんとキスをして初めて知った。 直己さんの舌がまるで生き物のように僕の口内を動き回ってその度に身体がゾクゾクと震えてしまう。 もうこれだけで気持ち良すぎてイッてしまいそうになる程だ。 立っていられないほどの快感に、直己さんに身を預けるとゆっくりと唇が離れていった。 「佳都、キスだけで感じたのか? 可愛いな」 「……だって、直己、さんのキス……すっごく気持ちよくて……」 「そんなに気に入ってくれたのなら嬉しいな」 「わっ!」 直己さんは腰が抜けて力が入らない僕をさっと抱きかかえた。 僕は驚いて直己さんの首に腕を回すと、直己さんは嬉しそうに 「佳都、本当に可愛いな。そのまま私に抱きついていてくれ」 と頬にチュッとキスをしてくれた。 僕のどこにそんなに可愛い要素があったかはわからないけれど、ニコニコと嬉しそうな直己さんをみていると嬉しいと思ってしまう。 直己さんはそのまま僕を抱きかかえて、リビングを出てスタスタとどこかへ歩いていく。 この広いスイートの間取りがまだよくわからないけれど、もしかしたらお風呂かな? そう思ったけれど、着いたのは寝室。 直己さんはその大きな部屋の中央にドンと置かれている天蓋付きの広いベットに優しく僕を下ろした。 嬉しそうな笑顔を見せながらそのまま覆い被さってくる直己さんに、もうドキドキが止まらない。 「あ、お風呂……」 「もう我慢できないから、風呂は後で入ろう」 「えっ、でも僕……汗かいて――」 「大丈夫。いい匂いしかしないよ」 スンスンと首筋を嗅がれて恥ずかしくなってしまうけれど、直己さんがあまりにも嬉しそうだからじゃあいいのかなと思ってしまう僕も、多分相当おかしくなっていたんだと思う。 だって、直己さんから漂ってくる香りもいつもより濃くて興奮している自分がいるんだ。 きっと僕も直己さんもお互いの匂いに魅せられていたんだろう。 「ひゃぁ――っ!」 首筋をぺろっと舐められている間に、さっとシャツの中に手が滑り込んできた。 爪で乳首をカリカリと擦られて痺れるような快感が走る。 確かに乳首も感じるとは書いてあったけれど、試しに自分で触った時はこんな感覚なんて何もなかった。 それなのに、直己さんだとどうしてこんなに感じるの? 本当に不思議だ。 「ふふっ。本当に可愛い」 そっと抱き寄せられたと思ったら、着ていた服はあっという間に脱がされて上半身裸になっていた。 すごっ、なにこの早技! 「ああ、綺麗だな」 直己さんは裸の僕を笑顔で見つめ、そのまま乳首に顔を近づけてさっきまで爪で弄っていた乳首をパクリと口に含んだ。 「ああっ……あ、なに……これっ……」 さっきの刺激でぷっくりと膨らんでしまった乳首が直己さんに吸いつかれたり噛まれたりするたびに途轍もない快感が身体中を駆け巡る。 「ああっ、んっ……んっ」 こんなにも感じすぎるなんて僕がおかしいんじゃないかと思っていると、 「ふふっ。佳都が感じてくれて嬉しいよ」 と直己さんの本心からの笑顔にホッとする。 「汚さないうちに脱いでおこうか」 さっきから立て続けの刺激にすっかり昂ってしまっている僕のモノがズボンを押し上げてしまい、自分でも気づかないうちに先端が濡れてしまっていた。 それを直己さんに見られてしまったことが恥ずかしくてカァーッと顔を赤らめると、 「恥ずかしがらなくていいよ。佳都が感じてくれてるのが嬉しいんだから」 と笑顔を向けてくれる。 ああ、本当に直己さんって優しい。 あっという間に僕は一糸纏わぬ姿になっちゃっているのに、直己さんはまだ服を着たままだ。 それがなんとなく寂しい。 「あの、直己さんも脱いで、ください……」 「ああ、わかったよ」 僕のお願いに直己さんはすぐに了承して、ジャケットを脱いで床に放り投げた。 僕を見つめたまま、ネクタイをさっと引き抜き、シャツのボタンを取り去っていく。 その脱ぎ方がセクシーすぎて目が離せない。 それどころか初めてみる直己さんの裸にドキドキする。 筋肉質だとは思っていたけれど、実際にこんなにもすごい筋肉だなんて! 僕は直己さんの綺麗な裸に目が釘付けになってしまっていた。 直己さんは僕の視線を感じながら、ゆっくりと見せつけるようにズボンを脱いでいく。 そしてジャケット同様にズボンを放り投げた直己さんは、僕の目の前で膝立ちでボクサーパンツ一枚の姿になっていた。 あんまりまじまじとみるのは失礼だと思いながら、股間を押し上げている大きなモノに興味がいかないわけがない。 だって、僕の何倍あるんだろう……。 「気になるか?」 「えっ……だって、こんなにおおきぃの、みたことない……」 「ははっ。見たことあった方が驚くよ。怖いか?」 「ううん、直己さんの、だから……怖くない、です……」 下着をグッと押し上げているその姿がすっごく苦しそうで、手を伸ばしてそっと直己さんのに触れると、熱くて硬いのがビクっと震えた。 「け、佳都っ」 僕が触れるとは思っていなかったんだろう。 少し慌てた様子の直己さんが可愛く思えた。 「あの、脱がせても、いいですか……?」 「いいのか?」 「だって、苦しそう……」 「くっ――!」 直己さんは少し戸惑いながらも下着を脱いでくれた。 「わぁっ――! すごいっ」 下着の中からボロンと出てきた直己さんのモノは思っていた以上に大きくて感嘆の声が漏れた。 「佳都にそんなにまじまじと見られると恥ずかしいな」 そう言いながらも、直己さんのモノは大きく聳り立っている。 先端がほんの少し濡れているのに気づき、僕は舐めてみたい衝動に駆られた。 なんで? と聞かれるとわからないけど、この時はそう思ってしまったんだ。 僕がそっと顔を近づけると目の前の直己さんの大きなモノから溢れ出す濃い男の香りが鼻腔をくすぐる。 ずっと嗅いでいたくなるような……クセになるその香りに僕はきっとおかしくなってしまっていたんだろう。 僕は舌を出して、直己さんのモノの先端を濡らしているその蜜をペロっと舐め取った。

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