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クリスマスイブ
スマホを握りしめたまま
混乱する頭を必死に動かす。
「…俺、優のこと好きだったんだ…」
優は俺に優しい。
いつもそうだ。
当たり前なくらいに馴染んでいたそれが、
少しでも離れるんだと思うと
すごく嫌だった。
…そんなの、寂しすぎて堪えられん。
優が男だとか、年の差とか、
そういうのぶっ飛ばして、優が好きだ。
案外すんなりと落ちてきた感情に、
胸の奥がきゅうっと締め付けられる。
こんなふうに人を思うのって初めてだ。
でもそれが優で良かったなんて、思う自分がいる。
「…」
しばらくそうやってぼーっとしていた俺だけど、
なんか重要なことを忘れている気がする。
「…あっ!」
思わずスマホのLINE画面を二度見する。
優今からこっち来るんじゃん…!
か、鍵開けねーと…!
俺はいそいそと立ち上がると
玄関の鍵を開けに走った。
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