30 / 39

クリスマス

「も、もうそろそろ…」 来る頃…だよな。 ええー…どうしよう。 俺どんな顔したらいいんだ…!? 今まで優に会うのに こんな緊張したことないし! ひとり部屋で暴れていたら ピンポーンという聞き慣れた音が耳に届く。 「…っ!」 き、来てしまった…! 落ち着けーと自分に言い聞かせながら 意味もなくばたばたしていた足を玄関に向ける。 そろそろとドアに近づいて声を出す。 「どうぞ…」 めっちゃ声ちっさい! え、聞こえてねーんじゃねーの…!? あたふたしながら頭を抱えていると ガチャっとドアが開く。 「…なにしてんの」 呆れたように俺を見下ろす優と 目があってぼぼっと顔が熱くなる。 「…っ、」 うわ、ぜってー顔赤くなってる! 真っ赤であろう顔を 隠すように背を向けると、 優の長い腕が伸びてきて後ろから抱き締められる。 「俺も好きだ…」 「…っ」 耳もとで囁かれて肩がびくっと揺れる。 優の体温が背中から伝わってきて だんだん身体が熱くなっていく。 「お、俺も…すき…です」 なんか敬語になった! てゆーか恥ずかしい! 何してんの!? 少女漫画じゃねーんだから! しかも俺男!! すっぽりおさまんのなんか悔しい! 腕を叩くとすっと離してくれた。 「入っていい…?」 こくんと頷く。 「ん…」

ともだちにシェアしよう!