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第10話
※性描写が少々あります。
あまりの寒さに冬の魔物と名高いものをついにゲットしてしまった。
早く買えば良かった……思いながらもコタツが部屋の中を占める面積はなかなかだ。
「あったかいなぁ〜」
「小柴、足当たってる」
それもそのはず。
俺は一人暮らしのはずなのに何故か二人用のコタツを買ってしまったのだ。原因は俺の正面で呑気にみかんを食べてくつろいでいるやつの所為だ。
同棲なんて甘いものではないし、同居なんてもんじゃない。
自分の家があるにも関わらず小柴はほぼ毎日俺の家に入り浸っている。
家賃が勿体無い、なんて言ったら小柴のペースに持って行かれてあれよあれよと言う間に同棲に持ち込まれそうで何も言えずにいる。
「当ててんの」
「はぁ?」
「だって先輩に触れてたいじゃん」
そう言ってコタツの中でも触れ合っている足をわざとらしく絡めてくる。突いてきたり、足の指で撫でてきたり……こそばゆくてそのまま蹴り飛ばしてやりたいところだけれど、コタツの中でバタバタしたら天板に置いてあるみかんとカップの中身が溢れるかもしれないし、下手したら怪我するかもしれない。
だからそのままにしておくが、小柴は気を良くしたのかどんどん行動をエスカレートさせていく。
「わぁっ!」
いきなり脚を掴まれたかと思えばその場に倒れ込んでしまった。脚を掴んだ小柴は楽しそうにくすくすと笑っていて……腹立たしい。
「先輩、可愛い」
「何処がだよ」
「俺に脚を引っ張られて倒れ込むところ」
身体を起こして小柴を見れば嬉しそうに微笑んでいて何も言えなくなってしまう。職場では見ない緩み切った表情に不覚にもドキッと心臓が高鳴る。
こうしてふざけてはいるが仕事中は真面目に業務をこなし、上司からの信頼も厚い。そんな小柴の姿に職場の女子がアプローチしているのも知っている。
だけど小柴は何を思っているのか俺を選んだ。
「先輩、そっち行っていいですか?」
「無理だろ」
「無理じゃない」
小柴はコタツから抜け出すとそそくさと俺の後ろに回り、後ろから抱き締めるようにコタツに入って来た。
腹の辺りでゴソゴソと蠢いている手は抓ってやった、アホ。まだ昼間だ。後ろから悔しそうな声が聞こえたけれど聞こえないふりをしてやった。
小柴は名前のわりにデカい図体をしている。まるで大型犬に絡まれてる気分になる。少しだけ大型犬の飼い主の気持ちがわかるってどういうことなんだろうか。
「普通こう言うのは彼女にやるもんだろ……」
「え、先輩は俺の彼女でしょ?」
「は?」
「彼女であり、彼氏でもあるんだからこう言うことしたって許されるでしょ?」
そうやってにこにこと笑われてしまえば何も言えない。
熱くなる顔を隠すように天板に突っ伏せばそのまま後ろからやんわりと抱き締められる。
「先輩、好きです。本当に愛してます」
「……急になんだよ」
「冬は人肌恋しいから」
「意味わかんねー」
「わからなくていいっすよ」
俺の背中にことん、と乗っかる小柴の頭。重いけれど、幸せなら重みだと思ってしまう俺も大概だ。
「ねぇ、先輩」
「んー?」
「キスしたい」
ちゅっ、と服越しではあるけれど背中にキスの雨を降らされてしまえばくすぐったさに身動いでしまう。その隙を小柴が見逃すはずもなく、下から顎を掬い上げるように顔を固定されてしまう。
そのまま無理矢理キスしてくれれば良いのに、小柴は至近距離で俺を見つめたままだ。
「ダメ?」
なんか押されっぱなしでムカつくから俺から唇を重ねてやった。
「んっ……ふ……」
俺は触れるだけのキスをしただけなのに小柴はそれを待っていたと言わんばかりに噛みつくようにキスをしてきた。体勢を変えようと身動ぐが、小柴にがっつりと抱き締められているので逃げようがない。
「ひゃぁ!」
「先輩、無防備すぎ」
「ば……っ! おま、齧るな……ァ」
かぷっ、と後ろからうなじを噛まれ、そこを丹念に舐られる。かと思えば小柴は俺の腹を弄り始めた。
「ダメだ、って……!」
「わかってますよ」
わかってるならやめろって……! そう言いたいのにコタツの熱さと小柴の熱、そして自分の身体の内から燻る熱にくらくらと眩暈がしてくる。
止めないといけないのに……
「先輩……少しだけ」
するり、と伸びてきた小柴の手は俺のスエットの中に侵入してくる。火照った身体とは裏腹に冷たい小柴の手に皮膚が粟立つ。
その冷たい小柴の手が熱を帯び、芯を得た部分に触れた。
「濡れてる」
「うる、せ……んぅ」
「熱い……先輩の……」
上下に小柴の手が動くたびに先走りが溢れ、ちゅこちゅこと粘稠度の高い音が響く。更に空いてる手は胸に伸び、つん、と主張している乳首に触れる。
「やめっ、ん、はぁ……だめ、だって!」
「もう少しだけ……」
親指の腹で鈴口の先端を撫で回されたかと思えば乳首を捏ねてきて、与えられる両方の刺激に身体を震わせるしか出来ない。
袖口を噛み、声を抑えようとするたびに眩暈がする。
熱い、とにかく熱い。それに気持ち良くて、苦しい。
「先輩……? 先輩!?」
「ひぃ、ぁン!」
ぐったりしている俺にビックリして小柴は扱いていた俺の屹立を強く握るものだからその刺激でイってしまった。
それから俺の記憶はない。
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