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第181話

「フィアナ、考えすぎだよ。すべては君のせいじゃない」  俯きながら深くため息をついた妻の手から果実水のグラスを取り上げてテーブルに置くと、宥めるようにその背を優しく撫でた。 「それに、まだ手詰まりだと嘆くには早い。まだ救いの手は動いているし、何より、ルイはそう簡単に諦めたりはしない。あれはちょっと引くほど執念深いからね」 「あなたの周りには異常な執念深さを持っている方が多いですわね。……でも、今はそれに縋りたい気分ですわ」  呟いて、胸元に下げていたペンダントを握りしめる。兄は、このペンダントに何を願ったのだろうか。 「ロランヴィエル公。私の選択は間違いではなかったのだと、証明してくださるわよね?」  これが私の、最後にして最大の賭けなんですもの。

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