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第19話 銀狐、熱い手に翻弄される 其の三※

「……っ!」    白霆(はくてい)が再び息を呑む。だが(こう)は気付いていた。心苦しそうに銀灰を細める彼の、その瞳の奥には色情の焔が揺らめいていることを。  戸惑いを見せる白霆(はくてい)が晧の花芯を離した、その僅かな隙を狙って晧は身体の向きを変えた。  白霆(はくてい)と向き合うようなそんな体勢になる。  一度、熱を吐き出したおかげか僅かに身体動く。だがまだまだ薬が抜け切らない所為か、たったこれだけの動きで力が抜けて、晧の上体は白霆(はくてい)の胸の辺りに落ちた。  そして下半身の花芯は、衣着の上からでも見事に硬く聳り勃っている彼の剛直に添えられる。無意識だろうか。腰を突き出して、まるでもっと熱を解放させて欲しいのだと言わんばかりに、縋るように花芯を白霆(はくてい)の剛直に擦り付けた。  じわりと彼の下衣が濡れていくのは、果たしてどちらの蜜の所為か。   「……は、ぁ……っ、はく、て……、ち、び……」    一緒に、と。  熱に浮かされた吐息混じりの声で晧は言う。  白霆(はくてい)がそんな晧をじっと見ていたかと思うと、何かを決意したかのように小さく息をついた。   「……わるいひと、ですね。貴方は……」    応えを返す暇もなく軽々と脇から持ち上げられた晧は、白霆(はくてい)を跨ぐようにして彼の上に座らされた。  しゅるりと白霆が自身の腰紐を緩める。  途端に噎せ返るかのような、懐かしい春の野原の草花の香りがした。そのあまりの濃い芳香と媚薬の効果が相俟って、晧の意識は更に昂りを増していく。  白霆(はくてい)が下衣から自身の剛直を露わにした。晧を薄桃の花芯と譬えるのならば、白霆は赤黒い剛茎だった。大きさも、太さも色も全く違う。  そんな屹立を、大きくて熱い手がまとめて握り込む。竿同士が合わされば、白霆(はくてい)の剛直に走る血管の脈動すら感じてしまって、晧の花芯からはとろとろと蜜が溢れ出した。それは白霆(はくてい)の手を、くっきり浮いた裏筋を、張ったふぐりを、しとどに濡らしていく。  

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