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第18話 銀狐、熱い手に翻弄される 其のニ※

 白霆(はくてい)が息を呑む。  だがそんな白霆の僅かな動きすらも、いまの(こう)にとっては艶悦な極みに向かう為の刺激に過ぎない。腰を押さえ付ける力強い手が、もどかしくて仕方なかった。大きな手だ。骨張っていて指先の長い。     あの手に。  あの手に……はやく……!    そう思った、須臾(しゅゆ)。  白霆(はくてい)の指が晧の花芯を絡め取るようにして、やんわりと握った。   「──……ひ、あ、あぁぁっっ──!」    熱い手に包まれた、ただそれだけだというのに、ぞくぞくと恥骨辺りから上がってくる愉悦に、晧は腰を突き上げる。色に染まった艶声を上げながら、白霆(はくてい)の手の中に熱の凝りを吐き出した。   「……あ……あ……」    最後まで残精を出し切るかのように、晧の腰が卑猥に動く。だが精の滑りと白霆(はくてい)の手の骨張った指の凹凸が育ててしまったのか。花芯が再び硬く天を向いた。   「──ひ!」    達したばかりの敏感な花芯を再び握られて、晧は逃げるように腰を引く。  不意に。  (いざらい)に当たるとても硬い物。  それが一体何なのか瞬時に察して、晧の背中をぞくりとした粟立つものが駆け上がった。  この状況で白霆(はくてい)は自分に対して兆しているのだ。  そう思うだけで頭の中が真っ白になりそうなほどの快楽に襲われる。魔妖狩りの男に欲情を向けられた時は、不快で仕方なかったというのに。何故白霆(はくてい)に対して嫌だという気持ちが湧いてこないのか、晧には分からなかった。  ただ一層強くなった白霆(はくてい)の、春の野原にも似た草花の香りに、身体も心も掻き回され、乱れる。   晧はぼぉうとした頭のまま、蕩けた紫闇の瞳を彼に向けた。どこか申し訳なさそうな顔をした白霆(はくてい)がそこにいた。   「……治療だというのに、未熟者で申し訳ございません……!」    そう言って白霆(はくてい)は腰を引こうとする。  だが晧は無意識の内に彼の腰紐を掴んでいた。

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