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番外編 銀狐、温泉に入る 其の五 ※

   「……っ!」    白霆(はくてい)はいま幅広い湯槽の縁に座り、木壁に背を凭れ掛けている状態だ。(こえ)に従って(こう)が白霆を跨いで彼の上に乗った。お互いに向かいあって身体を密着させて座っているような体勢に、晧の胸は自然と高鳴る。   「あ……はくてい……」    白霆の逞しい腕が晧の背中に回ったと思いきや、そのまま下がって(いざらい)の柔い肉を揉み拉く。  湯浴衣を掻き分けて白霆の骨張った指が、後蕾を探り当てるとその襞をまあるく擦った。   「はっ……あ、ぁ……っ」    昨夜とそして先程まで、太くて長い雄蕊を飲み込んでいた後蕾は、指の一本を易々と咥え込む。   「後蕾(ここ)、まだ柔らかいですね。ほら……更に一本……もう一本挿入(はい)ってしまいましたよ、晧」 「……っ、ああっ、も……白竜(ちび)……っ!」    更に易々と三本の指を受け入れた後蕾を、白霆が胎内(なか)でばらばらに動かすようにして、少し乱暴に掻き混ぜる。その度に鳴る、ぐちゅりとした淫靡な水音が晧の耳を犯した。   「こんなに掻き回しても、貴方の胎内(なか)は私の指を奥へ奥へ引き込もうとする。愛らしい蜜壺ですね。晧……もう挿入(いれ)てもいいですか? 貴方の胎内に挿入(はい)りたい」 「……あ、んっんっ……欲し……、はくて……っ!」 「では『こうやって私の根元を自分で持って、自分で挿入(いれ)るところを見せて下さい』」  「……っ、むり……っ、恥ずかし……」 「ゆっくりでいいですので、貴方自身で私を欲しがって、晧」    恥ずかしくて堪らないというのに、身体は嬉々として白霆の聲に応えようとする。  晧は既に硬く勃ち上がっている、白霆の雄蕊(ゆうずい)の根元を優しく掴んだ。こんな風に長い間、白霆の雄蕊に触れているのは初めての経験だった。どこか居たたまれない気持ちになりながらも、白霆が熱く乱れた息をついたのを見て、晧の身体も熱を帯びる。  先端を後蕾の襞に何度か擦らせていると、とぷりと溢れるのは先走りの蜜だ。その滑りを利用して晧は、ゆっくりと長く太い雄蕊を呑み込んでいく。   「……もう、これ以上は……っ、無理だ……白竜っ」 「晧……可愛い……晧っ……! あと少しだけですので我慢して下さいね」    白霆の優しい言葉が狐耳に吹き込まれる。  だが。   「──ひ、やあぁぁっ、ああぁぁ……──!」    それとは裏腹に、いきなり腰をぐいっと大きく突き動かされて、自重で更に深く刺さっていく雄蕊に、晧の花芯からは白濁が溢れて白霆の腹を汚した。  しかし白霆は止まらなかった。更に激しくなる腰使いに、晧は彼の首に腕を回して抱き付くことしか出来ない。   「も、もう……ああっ……()ってる! 達ってるからっ、ああぁっ……!」    意識せずに晧は白霆の耳の側で、あえかな声で啼き続ける。それが更に白霆の情欲に火を灯したのか。  先端で奥の蕾を捏ねるような動きをした後、腰を大きく突き出したまま白霆が晧の胎内で爆ぜた。   「──っ!」 「ああ……っ、はっ、は……!」  どぷりどぷりと奥の蕾に、熱を勢い良く叩き付けられる官能に、晧は更に達したのか身を震わせた。  やがてゆっくりと雄蕊が抜かれていく。  とろりと後蕾から溢れて出していく、白霆の熱の感触があまりにも恥ずかしくて、晧は誤魔化すように自分から白霆に口付けたのだ……。            

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