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第60話

「申し訳ございません、兄上様」 イッた筈なのに大きさそのままの絢人に連続で突かれたおれはすぐに動けなくて、絢人に後始末をしてもらって横になっていた。 「こっちこそ悪い。動けなくなっちまって」 「俺の所為なので兄上様が謝る必要などありません」 そう言いながら絢人はおれの隣に寝ると頬を撫でてくる。 「なぁ」 「はい?」 「……おれ、お前の所で一緒に暮らしてもいいか?」 「えっ」 おれの髪に触れていた手がぴたりと止まる。 「お母ちゃんに、お前の事が大切なら傍にいた方がいいって言われた」 「兄上様はどうお考えなのですか?」 「ん、絢人が嫌じゃなかったらそうしたいと思っている……」 「そんな、嫌だなんて有り得ません。寧ろ大歓迎です!!!」 おれの言葉に絢人は興奮した様子で大声で言いながらおれを抱き締めてきた。 「嬉しい、嬉しいです、兄上様と一緒に暮らせるなんて夢の様です……!!!」 「夢の様って、おれたちいつかは一緒に暮らして子供を育てる事になってるじゃねぇか」 「は、はい!そうですね!!そうですが、こんなに早く一緒に暮らせるなんて思ってもいませんでしたので……」 顔を真っ赤にして、うるさいくらいに輝いている瞳を更に輝かせて。 本当に嬉しくて堪らない、という顔を絢人はおれに見せてくれた。 「俺、母上様にご挨拶してきます!!」 居ても立っても居られない、という様子で、絢人はカラダを起こすと部屋を飛び出していった。 「…………」 喜んでくれたのは嬉しかったが、おれはふと、一緒に暮らしたら絢人とはどんな頻度でセックスするのかという事を考えてしまった。

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