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第八章 6 *R18

 自分の股間の辺りに視線を感じる。ぺろりと紅い舌が唇を舐めるのが見えた。 (くそっそういうわけにはいかないだろっ)  心の中で毒づいて。 「じゃあ、舐めろよ」  縛られて動けないユエの顔を膝立ちで跨ぎ、やや萎えているを彼の口許に寄せた。  今のユエはこういうことも好むのだ。  痛めつけられ虐げられる、そんな行為を。  ユエは何の躊躇もなくそれを口に含んだ。咳き込むくらいに喉奥まで。  ソウは妄想した。 (ユエのこの行為も俺を愛しているからだ)  と。そうしなければ、彼の望み通りに突き立てられる程にはなれない。  一頻りされるがままにしてから。 「もう、いいよ」  そう声をかけると名残惜しそうに唇を離しながらも、目は次への期待に爛々と輝いていた。 「早く、あお」 「は、もうちょっと待ってろ」  どうにか猛った、それを自分の手で掴んで見せつける。  ソウはユエの身体から下りると、彼の両の膝を掴んで大きく押し広げた。  もう既に雫を滴し始めているものや、きゅっとすぼまった後口が顕になる。  優しく解してやりたいのが本音。しかし、心を鬼にして、指を一本突き入れる。 「んんっっ」  解してもいないので当然指だけでも痛い筈だ。  呻き声を漏らすユエの顔は苦痛に歪んだ。  しかし、その苦痛こそ彼の望みである。  暫く内側をぐりぐりと広げるように指を動かしてから、二本目を入れる。数回抜き差しをして、ぐぐっと奥に入れ男でも快感を得られる気管に触れる。 「あぁぁ……だめ……そこ……気持ちよくしちゃだめぇ……」 (ほんとに、難儀な体質になったもんだ)  ここに来る前までの営みでは漏らす声も控えめだった。何度繰り返しても、まるで初めての時みたいに。  いろいろ考えるとまた萎えてくる。ソウはユエが気持ち良くなった瞬間に、自分の(いき)り勃ったもの、彼の体内に突き立てた。 「あぁぁぁっっ」  「ん……っ」  ユエの喘ぎ、ソウの呻きが同時に発せられる。  ソウは腹に熱い迸りを感じた。 「あお、あお。もっと強く、酷くして」 「ああ」  乞われるままに激しく腰を動かす。一旦先端まで抜いて、また強く突き入れる。それを繰り返す。  激しく揺らす度に、繋いだ縄がギシギシ言い、ユエの手首を痛めつけていた。  ユエは気を失っていた。  縄を(ほど)き、身体を拭いてやる。手首は擦れて血が滲んでいた。  ユエが激しく『痛み』を乞うのは、自分への罰だ。『何か』が起きた時にそれが現れる。その符合に気づいた時、ソウも『起きたことの全て』は『ユエ』のーーいや、ユエの中の『何者』かの仕業だと理解した。  しかも、目覚めた時には本人も覚えていない。自分のしたことも、こうして痛みを乞うことも。  数日前にもあったことだ。 (悪夢を見ずに眠れますように)  上掛け掛けてやり、柔らかな髪を撫でた。

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