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第67話
ベッドの上にしゃがみこんだ宗吾さんの太ももの上に抱き着く様な形で、僕も座り込んでいる。
離れがたくて、何度も宗吾さんにキスをする。
ぬるりと入り込む舌が気持ちいい。
息継ぎのために唇を離しては、もう一回と唇を寄せてしまう。
宗吾さんの唾液は相変わらず甘い。けれど、それを今は体が吸収していないのも分かる。
だけど、もう少しだけと唇にまた触れてしまう。
僕の唇も舌も、触れられすぎていてもうジンジンとしている。
宗吾さんがふっと喉で笑う。
それから僕に向かって「脱がせてくれるかい?」と聞いた。
僕は宗吾さんのシャツに手をのばしてボタンをはずそうとする。
人の服を脱がせるのはむつかしい。
上手くボタンが外れなくてもたもたとしてしまう。
僕の頭を緩く撫でながら、宗吾さんは面白そうにそれを見ている。
何が楽しいのか僕にはよく分からない。
だけど、宗吾さんが上機嫌なことだけは分かる。
僕の拙いキスとそれからもたもたと服を脱がそうとすることでなにが嬉しいのかニコニコと僕を見ている。
かなり時間がかかって、なんとかシャツを脱がす。
色気も、スムーズさも何もない。それなのに宗吾さんが昂っているのが分かる。
「はい、バンザーイ」
宗吾さんが僕の服も脱がす。
今までで一番拙くて、色気のない行為なのかもしれない。
だけど、気恥ずかしくて、嬉しくて、それでいてとてもとても幸せだと思う。
「今日も、いっぱい気持ちよくなろうね」
宗吾さんがふわりと妖艶な笑みを浮かべる。
これじゃあ、どっちが淫魔なのだか分からない。
「僕も、宗吾さんの事気持ちよくしたいです」
そう言ってから、必死に宗吾さんの首元に舌を這わせる。
宗吾さんはくすぐったそうにしながら僕の後頭部を優しく撫でてくれた。
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