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15恋の芽生え
「エフィ、元気になるといいな。オウガ」
「そうだね、ロン」
その後はエフィは孤児院からハンターギルドに訓練に来ていた、それと一人でアビス退治にも行っていたようだ。なんでもスーソルさんを雇ったお金と、父親をアルコール依存症の施設にいれるのに金がかかるらしかった。だから俺たちはアビスが七体とか、割のいい依頼の時にはエフィを誘って一緒に行くことにした。
「エフィ、一緒に依頼に行くにあたって、これだけはお伝えしておきます!!」
「うん、なぁに。オウガ」
「実は僕はロンのお嫁さんなのです、ですからロンには手を出さないでくださいね!!」
「そうだったの!? 確かに二人は仲が良いって思ってた!!」
「それでロンに手を出さないって約束できますか!?」
「うん、いいよ。オウガ、私は約束する!!」
俺はそんな二人の訓練場での遣り取りを聞いて頭を抱えた、もちろん訓練場には他にもハンターがいて聞き耳を立てている者もいた。俺は女ハンターとの結婚をこの段階で諦めた、その後俺からエフィにオウガはただの養子だからと伝えたが、エフィは私は絶対に二人の邪魔はしないと言った。完全にエフィからは、俺とオウガは夫婦だと誤解されていた。
「それじゃ、今回のアビスの数は七体。報酬と黒石を売って、その金は三人で山分けな」
「僕はそれでいいよ、ロン」
「うん、私もそうしてくれると有難いよ」
「弾丸用に黒石がいる時は言えよ、報酬とは別にそれは渡すから」
「今のところ弾丸の補給の心配はないよ」
「私も大丈夫!!」
「俺とオウガが前に出て、エフィには援護を頼むな」
「援護は任せたよ、エフィ」
「うん、私もお父さんの為にも頑張って稼ぐよ!!」
そうしてやってきたアビスの七体は俺とオウガで六体倒した、そしてなかなか俊敏な動きでエフィが見事に一体を倒していた。そうして依頼達成印を村人に押して貰い、報酬と売却した黒石は三等分して分けた。割り切れない時はエフィに俺たちは渡した、俺たちからの小遣いだと言ってそうした。エフィはありがとうと何度もお礼を言ってくれた、そうやって俺たちは仲良くしていた。
「ロン、オウガ。この前ね、お父さんが今までごめんなって言ってくれたの!!」
「そりゃ、良かったな。エフィ」
「治療が上手くいってるんだ」
「でも私を引きとりたいって、お母さんのお姉さんが言ってるの」
「うーん、それはエフィ自身がしたいようにしないとな」
「そのお母さんのお姉さんはよく知ってる人なの?」
「ううん、親戚の集まりで二、三度会っただけ」
「なかなか悩ましいところだな」
「スーソルさんや孤児院の方とも相談すると良いよ」
結局エフィは父親を見捨てずにハンターをしながら養っていくことにした、そして五つ星から七つ星の女性のハンターたちから、エフィはパーティにならないか誘われていた。俺たちのことは気にすんなと俺は言った、オウガもエフィの好きなようにするように薦めた。エフィはそこのパーティに入ることになった、そうして年上のお姉さんたちに可愛がられているようだった。
「ちょっとだけ寂しいが、また訓練にくれば会えるからな。オウガ」
「僕はロンを一人占めできていいよ、……ちょっと寂しいけれど」
「お前とエフィは仲が良かったもんな」
「うん、ロンへの恋バナで盛り上がったよ!!」
「ええとちなみにエフィは未だに俺とお前が、恋人同士って思ってるわけか?」
「もちろんだよ、恋人どころか夫婦だと僕は言っているよ!!」
俺は嘘を広めんなと抗議したが、オウガは戸籍という証拠があるからからと開き直っていた。おかげで他のハンターからもオウガと夫婦なのかと聞かれた、俺は全力で否定したがオウガのやつが肯定するので、喧嘩をしている夫婦ということに落ち着いてしまった。まぁ今更オウガにいなくなられても寂しいに違いなかった、それじゃ俺はオウガが好きなのかと思うと俺の思考は停止した。
「確かにオウガは好きだが、でもオウガを抱くのはちょっと無理かも? いや、いけなくも?」
そんな風に俺は家で風呂に入る度に悩んだ、俺は風呂に入っている時に性欲も処理していた。その時の対象は常に男性向けの女性の裸が印刷されたエロ本だった、風呂に入る前にそれを読んでおいてそうしてから風呂場で性欲を処理していた。しかし、それがオウガだったらどうだろうと俺は思った。オウガは細いが鍛えられた体をしていた、顔は綺麗で顔だけならいけなくもなかった。
「いかん!! 俺がオウガに洗脳されてる!!」
「お風呂から出て何言ってるの、誰がロンを洗脳してるって?」
「だって最近、お前が!?」
「僕が何? 一体どうしたの?」
「……ナンデモナイデス」
「もう、気になるから教えてよ!?」
オウガに最近お前が色っぽくみえなくもない、そんなことを言ったら大変なことになるに違いなかった。だから俺は絶対に黙秘を貫いた、オウガはそんな俺の変化を怪しんでいた。まさか彼女ができたのかと全く見当違いの疑いまでかけられた、ほとんど二十四時間オウガといる俺に彼女なんて作る時間は無かった。オウガは俺の愛読本のエロ本たちを持って、嘘を言うようならといつでも捨てる体勢をとった。
「ロン、本当のことを言ってよ!?」
「さっ、最近ちょっと好みが変わって……」
「ああ、エロ本が新しくなってたね。でも、それだけじゃないでしょ!?」
「きっ、聞かない方がお互いに幸せかなーと思っている」
「そんなことないでしょ!? 何があったか正直に言って!?」
「ああ、もう!! もしかしたら、お前の体でぬけるかなって考えてました!! 畜生!?」
俺がそう言った途端、オウガは持っていたエロ本の数冊を床に落とした。そうして俺をぐいぐいと寝室まで無言で無表情で連れていった、俺は逆らうように力をこめたがオウガの手はびくともしなかった。そうしてオウガが服を脱ぎだしたから、俺はヤバイと思って逃げようとした。でももちろんオウガが逃がしてくれるわけがなかった、そのまま俺は上だけ脱いだオウガからベッドに押し倒された。
「ロン、僕は本気なんだ。少しでも僕に可能性があるなら試して」
「いやお互いに今までどおり、家族でいた方が良くないか?」
「僕はそれだけじゃ嫌だよ、本当にロンが少しでも僕を好きになる、そんな可能性があるなら試して」
「たっ、試すって言われてもな!?」
「僕の体、好きなように触ってみて」
「ああ、もう!?」
俺は思い切ってオウガの唇にキスしてみた、今まで性的なことをすることなんか無かったから、凄く下手くそな俺のキスだった。でもオウガはそれで顔が真っ赤になって笑った、それがとても嬉しそうな笑い方で可愛かったから、俺はそう思った自分自身にびっくりした。そうやってキスしてみてもオウガが気持ち悪いとは思わなかった、何度かそれからもキスしてみたがむしろ気持ちが良かった。
「ロン、僕は嬉しい。ロンにキスされてる、どうしよう凄く嬉しい」
「俺は何だか悪いことをしてる気分だ」
「どうして僕もロンも大人だ、だから僕にロンがキスしたって悪いことはないよ」
「オウガ、もう少し触ってもいいか?」
「いいよ、どこでも触って。それにまたキスしてよ」
「わっ、分かった」
俺はオウガを押し倒してキスして抱きしめてみた、これが他の男なら鳥肌ものだが全く不快感は無かった。そうして何度もキスしているうちにオウガも興奮してるのが分かった、ズボンの前がキツそうだったのでズボンの前を開けてやった、そうしたらもう立ってたから思い切って、俺はオウガのそれに触れてみた。
「ああっ、気持ちいいよ。ロン!!」
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