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第1話
♪〜♪〜♪〜
わざわざ高い授業料を払ってまで私立の高校なんて行く必要なんかない
普通に地元の公立高校に進んで、専門学校とか、その辺りの大学に進学すればいい
別に中学でも真面目に部活に励んでいたわけでもないし。
絶対に入らなきゃいけないからなんとなく野球部にいたけど、部員数も少ない弱小チームだから誰もピッチャー出来なくて……なぜか僕みたいな弱々メンタルマンが3年間エースナンバーを背をわされていた。
両親が高校野球の大ファンで、名門の私立高校に僕を入れようと目論んでいたのは薄々気がついていた
そろそろ受験高校を決めなくていけない夏休みのタイミングで親の勧めもあって東京の私立高校へ見学に来たものの……
そもそも男子高な時点で候補から外したい……男子高なんて肉食恐竜みたいなのしかいないから、僕みたいなサファイアブルーハムスターは馴染めるはずがない
……しかし校舎は広いし新しく建て替えたばかりだからピカピカだな……いかにも私立って感じ
えーっと……部活の見学が13時からか……もうホテル戻りたいけど、野球部見学していかないとお母さんに怒られるよな
野球部の部室前で見学の受付しなきゃいけないのか……構内図見てもさっぱり場所分からないんだけど
……適当に歩いてたら見つかるかな……行ってみよう
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はい迷子ー……
他の見学の中学生にくっついて行ったらたどり着くと思ったのに……なぞの建物についてしまった……
どこ……
「見学??」
キョロキョロと辺りを見回していると声をかけられ振り返った
「おぉ……」
吹奏楽部なのか楽器を持った高身長国宝級美男子が目の前に現れ思わず声が漏れてしまった
「何?」
「あっ……いや…あの……」
「吹奏楽部の見学ならこの建物の中入って」
「…あっ……はい…」
やべー!!返事しちゃったー!!
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