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第12話
【暖サイド】
譜面台をトントン!と指揮棒で叩かれ吹くのを辞めさせられた
山下「初心者?」
暖「はい」
山下「楽器置いて」
暖「置く!?置く!?」
山下「吹かなくていいからカウントの間に腹式呼吸して4拍伸ばす。いち…に…さんしー」
淡々とした説明をし、間髪入れずにカウントが始まった
暖「!!!!(パニック)」
あたふたしているとサックスの仲間達が小さな声で【とりあえず吐け】と教えてくれた
吐く??吐く?!
暖「オェーーー」
一同「????」
1年「ちげーよ!!息!息吐くの」
暖「息吐くってふぅーってこと!?ふぅーふぅーするの?」
ザワザワ ザワザワ
何??
ペシッ!!
暖「んっ!?」
腰の辺りをペシペシされ振り返った
速水「姿勢悪い。さっき教えたばっかじゃん」
暖「すみません!!」
『速水先輩///』
『パートナー?いいな』
ザワザワの正体はドS速水先輩……
正直……めちゃくちゃ安心感……
いっそママって呼ぼうかな。
山下「速水、サポート入るなら早く座れ」
速水「はい」
山下先生、大人気速水先輩にも対応冷たいんだ。メモメモ
山下「速水、星野は歌でいい。手本」
速水「はい」
♪〜♪〜
山下「いち…に… さんし」
速水「あー♪♪」
おぉ(パチパチ)美声…そしてなぜかエロボイス
山下「星野。いちにさんし」
暖「あゔーー♪///」
自分でも分かるくらい音痴ー///
山下「はい、次」
暖「(無情)」
結局基礎合奏中は僕だけずっと声での参加だった。
ちょっと惨め。
・
・
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速水「俺これから基礎合奏だから、暖以外の一年はスケール」
1年「はい!」
速水「暖はこの呼吸の基礎本見ながら腹式呼吸練習しといて。あとでチェックするから」
暖「僕もサックス吹きたいです……」
速水「……うん、だからそのための呼吸練習なんだけど」
暖「違くて……なんていうか……呼吸法なんていいから…サックス吹いて音出せるようになりたい……」
速水「……闇雲に練習しても基礎がなきゃ吹けるようにならないから。」
暖「…………」
速水「お前今日おしまい。寮戻れ」
暖「え?」
速水「お疲れ様でした」
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