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1-03罠にはまってしまった君が好きだ

「なぁ、裕介。明日から三連休だ、うちに泊まりに来いよ」 「ああ、そうだね。うん、いいよ」 「よっし!! 三連休だ、遊びまくろうぜ」 「駄目です、僕たち受験生なんだよ」 「教科書なんて一度読めばもう十分だろ」 「いつも言っているけどね、鈴。皆がそんな鈴のように天才じゃないんだよ」  何はともあれ僕は今度の三連休を鈴の家で過ごすことになった、これも別に珍しいことじゃなかった。鈴の家には母親も父親も仕事が忙しいので碌に帰って来なかった、かといって僕の家は狭くて鈴を泊める場所が無かった。だからある程度大きくなった僕はよく鈴の家に泊まりに行っていた、僕の母親からも子ども一人じゃ心配よねと言われていた。 「三連休のうち半分は僕は勉強するからね、鈴」 「ちぇ、裕介が相手してくれないなんて、つまんねーの」 「残り半分は思いっきり遊ぼう、鈴」 「おっし、映画みようぜ。ホラー映画の怖いやつ!!」 「僕がホラーが苦手になったの知ってて酷い」 「でも、裕介も見たいって言ってたじゃないか」  僕はホラー映画が昔は好きだった、でも徹底的に怖いホラー映画に出会ってから苦手になった。それでもホラー映画の新作が出ると、あんまり怖くないなら見たいと思うのだ。怖い物見たさというやつである、怖いのは分かっているが見たくもあるのだ。幸いどんなに怖いホラー映画を見たって、鈴がいれば一緒のベッドで眠れるから怖さも半減だ。 「確かにホラー映画は見たいけど、あんまり怖い時は鈴のベッドにもぐりこむからね」 「はははっ、いいぜ。つーか、いつでも裕介なら入ってきていいぜ」 「この間見た、怖くないホラー映画は良かったなぁ」 「それってホラー映画と言えるのかよ、裕介」 「ちゃんと血や内臓が飛び散るシーンがあったし、B級ホラー映画で主人公が何も喋らないんだ」 「ホラー映画なのに怖くないなんて、意味がないような気がするけど裕介が好きならいいか」  そうして学校が終わると僕は一旦家に帰って、母親にこの三連休は鈴の家に泊まると言った。母親からもすぐに許可がおりて、僕は荷物をもって鈴の家に向かった。そうしてもう慣れちゃって今更だからそのまま鈴の家に入っていった、お邪魔しまーすと言いながら家に入っていくと、すぐに鈴がやってきてまず勉強をすませようと言った。 「英語と数学と科学、薬剤師の大学に進むんならそれが必須科目なんだけど」 「裕介は数学と科学は成績が良いのに、英語がダメダメだよな」 「数学は数式を覚えればいいし、化学は暗記するだけだけど、英語は何故か苦手なんだ」 「国語に近いものがあるからか? 英語も結局は暗記するもんだぞ」 「単語と熟語を暗記して、後は数学の公式みたいに英語の文章を理解できればいいか」 「おう、頑張れ。俺はその間に凄く怖いホラー映画を探しておく」  僕は鈴に鬼と言ってから、勉強を真面目にはじめた。言ったとおりに苦手な英語を重点的に勉強しておいた、それから一応は数学と科学もおさらいをした。僕は鈴に言ったとおり薬剤師の大学に進むつもりだった、理由は簡単で薬剤師はお給料が良いからだ。看護師は大変そうだったし、医者は誤診が怖くて僕には無理だと思った。ちなみに鈴も薬剤師になる予定だ、理由は教えてくれなかった。 「終わったー、勉強終了。さぁ、残りは遊ぶぞー!!」 「よし俺が厳選したホラー映画を見ようぜ」 「いきなりホラー映画かい、他に遊びはないの?」 「コンドーム使って、いつもの遊びでもいいぜ」 「それならホラー映画を見よう、煩悩が去るくらいに怖いホラー映画だ」 「なんだよ、どうせ後でいつもの遊びもするくせに」  鈴は彼女候補が抱けない時には、いつも僕とコンドームを使ってエッチな遊びをしたがった。今回は時間があったのだから、僕が勉強中に彼女候補を抱いてくればよかったのに、最近は彼女候補を抱くより鈴は僕との遊びにハマっているように見えた。まぁ、鈴とこんな遊びをするのも後少しだろう、それとも同じ大学にいくつもりだからまだ続くのかもしれなかった。そして、僕は鈴にぴったりとくっついてホラー映画を見ることになった。 「あー!! ほらっ、十字架が誰もいないのに逆さを向いた!!」 「重力でひっくり返ったんじゃねぇの」 「死体がいつのまにかこっちを見て目を開けてる!!」 「それこそ重力だろ、目が開いてるってことは整形してたのか」 「オルゴールを鳴らしてる、ああ!! 今一瞬少年の姿がガラスにうつった!!」 「それって光の反射じゃねぇの」  そうして僕にとっては恐怖のホラー映画鑑賞会は終った、鈴が集めてくれた映画はどれも本当に怖くて、僕はぎゃーぎゃー言いながら鈴にずっとしがみついていた。一方の鈴はぽてちを食べながら、冷静にホラー映画を分析していた。確かに鈴の言ったとおりなのだが僕は怖いものは怖いので、今夜は鈴のベッドにもぐりこむことにした。 「ああ、やだ。思い出すとまた怖い怖い怖い」 「そんなに怖いなら、裕介。エッチなことして遊ぼうぜ」 「どういう理屈でそうなるの!?」 「ほらおばけとか幽霊って、エッチなことしてると寄ってこないって言うだろ」 「それの根拠は!! エビデンスはどこにあるのさ!?」 「裕介は今怖いことしか考えてないだろ、エッチなことを考え始めたらそれも無くなるさ」  鈴の言うことは一理あるような気がしたが、怖くてビクビクしているような状態で、エッチなことなんてできるか僕には分からなかった。鈴はいつもどおりにコンドームを取り出して、僕たちは手や口でお互いの性器を刺激しあった、確かに僕の恐怖心はかなり収まった。すると鈴は最後にちょっとまた特別なことをしようぜと言いだした、今度は何を始めるのかと思ったが、親友の鈴のことだから安心して僕は任せていた。 「特別なことって何をするの?」 「女の子を知らないお前に、疑似体験をプレゼントだよ。ちょっと目を瞑ってろ」 「うん、分かった。うっ、うわ鈴。なんか手とも口とも違う感じがするよ」 「じっとしてろって、ああっ!! あああああっ!!」 「鈴、もう目を開けていい?」 「はぁ、いいぜ。それで俺を押し倒して、腰振ってくれるともっといい」  僕は鈴のセリフになんだか悪い予感がした、そうして目を開けたらなんと僕と鈴は繋がっていた。僕の性器が鈴のお尻に入っていたのだ、これじゃあまるでゲイの人がするセックスじゃないか、僕は鈴に対して怒ろうとした。そうしたかったのだが、鈴は真っ赤な顔をしてもう息も絶え絶えといった様子だった。 「なぁ、動いてくれよ。裕介、入れてるだけでもすっげぇ気持ち良いけど、ずっとこのままって辛い」 「えっ、分かった。鈴、ちょっと押し倒すよ、じゃないと動き辛いから」 「ああっ!! 今、すっげぇ気持ち良いところがあった!!」 「ええと僕は何か言いたいことがあったんだけど、今はよく分からないけど腰を振ればいいの?」 「そうだ、ああっ!! あああっ!! 裕介、凄く気持ち良い!! ああっ!! お前は!?」 「出入りする度に鈴の中が僕のものを締め付ける、これもなかなか気持ちが良いね」  鈴とのセックスはまぁ気持ち良かった、僕は女の子としたことないから分からないが、腰が途中から止まらないくらいには気持ち良かった。鈴はすごく嬉しそうな様子で僕を見てた、僕はどうして鈴を怒ろうとしていたのか分からなくなった。そうやっている間に鈴が性器に触れてもいないのにいったので驚いた、鈴は凄く感じやすくなっているみたいで僕が一回いく間に三回もいっていた。 「ああっ!! 気持ち良い!! 裕介!! 裕介!! 中でいいところにこすれて!!」 「鈴が気持ち良いならいいけど、こんなことする前に相談して欲しかったな」 「お前は余裕だな、はぁ!! ああっ!! 気持ち良くないのかよ!! あああっ」 「だからなかなか気持ち良いって、でも勝手にセックスしたことは怒ってる」 「ああっ!! ひっ!? 女の子相手の練習だと思えよ、ああっ、あああっ、またいく!!」 「僕もそろそろ限界、はぁ、いく!!」  そうやって僕と鈴とのはじめてのセックスは終った、鈴は僕に勝手にしたことを怒られながらも満足そうだった。そうしているうちに僕の中でホラー映画のことなんか、頭から吹っ飛んでしまった。つまりそれだけ鈴とのセックスは刺激的だった、鈴はまたやろうぜと言っていたが、果たして親友とセックスしても良いのかと僕は悩んだ。 「これでもう俺のもんだ、裕介」  僕は真剣に親友とセックスしてもいいのかと悩んでいた、だから鈴が言っていることを聞き逃していた。ホラー映画のことが頭から吹っ飛んで怖くなくなったので、僕は鈴の部屋にある泊まりにきた用の僕の布団を敷いて眠ることにした。一度に情報がいろいろと詰め込まれて、僕の頭の中は混乱していたし初めてのセックスで疲れていた。そんな僕にはすぐに睡魔がやってきて、僕は鈴におやすみと言うと眠りについた、だから鈴の言っていることも耳に入らなかった。 「もう逃がしてやれないからな、裕介」

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