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30:バイブ※

 こうくんはバイブまで取り出してベッドに置いてからチェストを閉めた。そんな気軽に出てくるものじゃないから凝視してしまう。俺のものより一回り小さいが、黒くてシリコン製でカリの部分から湾曲してる。 「こんなえっちなの使ってオナニーしてるの?」 「毎回じゃない」  オナニーはしてるんだ。その情報だけで十分だ。これからそれが見れると分かるとワクワクしかない。ベッドの中心を明け渡し、枕を背にして座るこうくんの目の前に移動する。さっき脱がせられなかったパンツにこうくんが手をかける。 「最初は指でやる」 「俺がやっていい?」 「……あんまり見るなよ」 「無理」  俺が断ると、こうくんはリモコンを使って照明を落とした。チェストの上に置いてあるランプの白熱灯だけが光る。暖かい光がホテルみたいだ。オタクの雰囲気無い部屋とか思ってたけど、しっかりセックスのためにも整えられていた。やっぱ誰か連れ込んでる。恋人は前に聞いたときに居ないと言ってたけど、今もセフレとか居るんじゃないか。こうくんは暗がりでようやく下半身を露わにし、その中心に俺の目が釘付けになった。  勃ってる。結構立派だ。赤黒くて無駄な肉が削げてて、使い込まれてる。俺が凝視してるとすぐにロンTでそれを隠した。 「何で隠すんだよ~」 「お前が見て楽しいものじゃない」 「そうでもねぇよ」  隠したってギンギンに勃ってるから布地を押し上げてテント作ってる。これはこれでやらしい。こうくんの立てていた膝を更に割ってM字にして、その間に入った。尻穴に指で触れるとしっとりと暖かい。ローションを取って手の上に出した。人差し指と中指の2本に纏わせる。 「いれるよ」  こうくんは小さく「ん」と頷いて手の甲で口を隠した。つぷ、と指先を入れてみる。固い感触に本当に入るのかと不安になると、すぐにぐばあと広がってみるみる指を一本飲み込んでいった。こうくんが力を入れて広げたみたいだ。 「すげぇ、あっさり入った」 「ふうっ、ふう、んん」  手の甲を使って声を押し殺していた。生理的な吐息だけが漏れる。 「どこがいいの?」  尻の中に男の気持ちいいポイントがあるのは知ってる。前立腺だ。女の子に掘られてる動画を見たことがある。興味本位で見てみただけだったが、男優があうあう喘いでいた。そのときは何とも思わなかったけど、あんな風に鳴くこうくんは見てみたい。 「前立腺ってどこ?」 「……も、すこし、抜け」  こうくんの尻が柔らかすぎて突っ込み過ぎたらしい。少しずつ抜いてみると「そこで握れ」と合図された。握る? どういうことか分からなかったけど、拳を握るみたいに指を腹側に折り曲げてみた。びくんっとこうくんの膝が揺れる。 「うう、んっ、そこ」 「なるほど」  ちょっと膨らんでる。ぐりぐり押し込んでみると、こうくんは大きく息を吐き出して両腕で顔を覆ってしまった。表情が保てないほど感じるらしい。もう一本も中に入れて、奥にピストンをしながらローションを塗り込み、手前に引くときはわざといいところに引っかかるように指を折り曲げた。こうくんは口を覆って声を出さないようにしてるから、呻くようなくぐもった声と吐息で喘いだ。 「はあっ、はあっ、んう~っ」  可愛いな。顔が見えなくても可愛い。さっき教えてもらった通り、今度は中で人差し指と中指を前立腺に、外側は親指を玉のすぐ下に当てた状態で手を握ってみた。  こうやったらさ、外側と内側で前立腺挟めそうじゃない? 「んーっ! うんんんん、ふうう」  思った通り、びくびく揺れながらこうくんの両足が俺の体を挟んだ。じわっとテントのてっぺんが濡れてTシャツに染みを作った。ちんぽまで分かりやすくモロ感でかわいい。 「や、いやだ、それやめろっ」 「なんで? めちゃくちゃ感じてんじゃん」 「アッ、いく、いくぅ、いやだ」  両腕を離したこうくんの顔は真っ赤だった。歯を食いしばって、Tシャツの上から自分のちんぽをぎゅっと握った。いかないようにしてる。 「も、バイブ、いれろ!」 「あ、忘れてた」  このままこうくんのいってるところも見てみたかったけど、せっかくもっとえっちな提案をされてたんだから見ないともったいない。穴から指を抜いた。湿り気と体温で火照った指をこうくんの太ももで拭いて、バイブを手に取る。こうくんはハアハア荒い息を上げて待っていた。上からローションを垂らして、バイブ全体をぬるぬるにした。尻穴に向けると、濡れた口がさっきより開いて息をしていた。早くここに入れたい。 「これが入ったら俺のも入るの?」 「……多分」  尻穴にバイブを当てたまま、こうくんに覆いかぶさった。間近で顔を見つめる。 「じゃあ、俺のだと思って入れて」  ぐぬ~っと力を入れてバイブを押した。こうくんの困惑した顔がすぐに苦悶に変わる。こうくんのバイブなのに、苦しいのかあ。あんまり使ってないのかな。ちゅ、ちゅ、とキスを落としたら顔の強張りはすぐに解けた。こうくんは両手を俺の肩について、手の力を込めた。大きく息をついて力み、バイブを飲み込んでいく。 「ふーっ……ん、う」 「俺の気持ちいい?」  こめかみを濡らす汗を舐めて俺のだと錯覚するように言う。こうくんは首に縋りついて俺の頭を抱え込んだ。根元を持つ指がこうくんの尻に当たる。奥まで入ったんだ。せっかく俺のだと思うように言ってるのに、スイッチを入れたら規則的な振動で機械だとバレてしまう。そのままぐりぐり回して、ゆっくりピストンした。 「ん~っ、あっ」  引き抜くときに肉が引っ張られる感触がする。ローションが足りないのかと思って、こうくんの腕から抜け出した。穴にボトルの先端を差し込んで直接注ぎ、外に出てるバイブの竿部分にもたっぷり塗った。もう一度中に押し入れると、穴の淵でそぎ取られたローションが垂れてシーツに落ちる。 「マキ」  いやらしい作業に夢中になってしまった。こうくんが切なそうに俺に手を伸ばす。招かれるまま、上に乗っかる。 「ぴったりくっついてると気持ちいい?」 「ふう、うん」 「俺も」  抱き着かれて体を密着させる。こうすると俺のずっと勃ったままのものもこうくんの太ももに潰された。むちむちの太ももに擦り付けながら、バイブを前後させる。 「はっ、ああ」  たっぷりローションを入れたからぐちゅぐちゅやってバイブを動かすことが出来た。だんだん喘ぎ声が我慢できなくなってきたこうくんが俺にしがみついて首だろうが顔だろうが強く口を押さえつける。湿った息がずっと肌に当たる。スムーズに出来るようになったピストンに合わせて体が揺れるから、俺のちんぽも同じリズムで擦れる。 「はあ、は、俺のも触って」 「うんっ」  喘いだんだか返事したんだか分からない声を出して、こうくんは俺のちんぽを握った。すべすべの生温かい手に包まれて、ちんぽと連動した心臓が脈打った。さっきから心臓ばっくばくだ。緊張じゃなくて興奮で。ずっと先走りを出し続けてる。たまんなくなってこうくんの手をオナホにして腰を振った。同じタイミングでバイブで奥をつく。 「うぁっ、あっ」 「セックスしてる、ほら」 「あっ、あっ」  疑似セックスでいきそうになる。こうくんも俺の名前を呼んで喘いでいた。 「マキ、いく、いくいく、あっ」 「俺もいく!」 「ああっ、あ、あっ」  先にこうくんがいってぎゅうううとバイブを尻穴で締め上げた。動かせなくなったバイブから手を放し、俺はびくびくしてるこうくんに抱き着いて腰を振った。こうくんの手が作る筒に出し入れして、指がカリ首に引っかかるようにする。中途半端に浮いた腰をカクカクやって揺らして精を吐き出した。 「はーっ、はっ、やばい」  ずっと待ち望んでいた射精にたくさん出た。こうくんの脇腹に腰に太ももに落として汚してしまった。その模様を目でなぞっていると、もっと上の薄い腹にたくさんの白い線を見つける。こうくんが出したものだ。ロンTの裾がまくりあがって、ちんぽが外に出ている。先端の口から白いものを垂らして、まだ上を向いてた。はあはあ息をついてこうくんは俺のちんぽを握ったままぐったりしている。カエルみたいに開いた足の間から、バイブを抜いてやった。ぐぽん、と抜けてこうくんが短い息を吐く。白く泡立ったローションがバイブと一緒に出てきて垂れて、あっちもこっちもぐちゃぐちゃだ。

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