「はあっ、はあっ」 　あ～っ、心拍数が上がって息が乱れる。何も言えねぇ。こうくんがいやらし過ぎる。体を起こして拭いてやろうしたけど、頭のてっぺんから胸まで真っ赤に染めて、乳首をぴんと尖らせて、下半身をてらってらにして、白い筋に汚されたこうくんはもう犯されて仕方ない恰好をしてる。その姿を見たままチェスト上に手を伸ばし、コンドームの箱を引っ掴んだ。中から一つ取り出して外装を乱暴に破った。ゴムだけはつけなきゃと正しく性教育された成果だ。こうくんはその間に震える体を起こして、俺の方に尻を向けた。 「こっちが、やりやすい」 　顔を見てやりたかったけど、その恰好が楽だと言われたら仕方ない。それにでかい尻に腰を打ち付けてバックでやるのも絶対いい。尻に両手を添えて左右にぐいっと引っ張ると、こうくんは「はああ」と息を吐いて枕をぎゅっと抱きしめて顔をうずめた。 　駄目だ、めちゃくちゃに突き入れそうになる。長く息を吐いて興奮を落ち着かせた。 「ふー……いれるよ」 　出っ張った腰骨を掴み、ずぶっと濡れた穴に突き入れた。疑似セックスで熟れた尻穴はずぶずぶやって俺のちんぽを飲み込んでいった。突き進むたびにこうくんが「うう、うう」と呻く。両足がガタガタ震えて俺の足にぶつかる。 「あー、すっげぇ」 　奥までどんどん入っていく。ぎゅうと引き締まった肉壁を押し広げると、すぐに柔っこく開く。ふうふう、あふあふ息を吐いてるこうくんが俺を受け入れるために力んで道を作ってくれる。力が抜けるとぎゅっと俺のちんぽを抱きしめる。奥へ奥へちゅうちゅうやって吸い付いてくる。ある程度のところで腰を引くと、びっちり引き締まった肉壁が名残惜しそうについてきて腰が持ってかれそうになった。 「ああ、やっばい、最高」 　ローションが頑張って摩擦を少なくしてくれている。ギリギリまで抜いてもう一回突き入れたときは、もっとスムーズに手早く奥まで進むことが出来た。数回繰り返して、ピストンのリズムを作っていく。 「気持ちいい、気持ちいい」 「う、ううっ、う～っ」 「こうくんは？　気持ちいい？」 　ずっと唸ってるこうくんに不安になって、背中に覆いかぶさった。昔の失敗が思い出される。相手が苦しがってるのに気づかず自分だけ気持ちよくなった記憶だ。ロンTの裾をまくってこうくんのちんぽを触った。 　勃ってる。 「あっ、あう、うう」 　だらだら先走りを出しながら勃ってた。ローションをかぶったようなぬるつきに思わず手で握って上下した。連動するようにぎゅうぎゅう尻が締まる。気持ちいい。 「うぐぅ、ううっ」 「はあ、もう、やらしーなあ、ろくに触ってないのに勃っちゃって」 　ずっと嬲ってるのは尻なのに、こうくんのちんぽはずっと勃ってるし一回いっても萎えてない。触る必要なんか無さそうだけど、せっかく手にしたからさっきの俺みたいに俺の手をオナホにしてあげた。腰を動かすタイミングと一緒に扱いてやる。 「はーっ、ん～っ」 　律動のリズムとは違う間延びした声が上がる。どのタイミングでも感じて気持ちいいらしい。ゆっくり引き抜いた後に勢い良くバンッ、バンッと大きく動いて腰で尻を叩くと、流石にそれには「あぐ」とか「んあ」とか短い声を上げていた。いい。とうとう最後までアンアン鳴くことは無かったけど、こうくんの低くて重たい声がいい。苦しそうな声してたってちんぽを見れば感じてるのは一目瞭然だし。今までのどんなセックスよりも一緒に気持ちよくなれてる。 　 「うー、いきそう……！」 「はっ、はんっ、うぐぅ」 「いくいくいく……っ」 「ぐう、うあっ、あっ」 　 　自分がいくために律動を激しくすると、先に呻き声を上げてこうくんがいった。ぎゅううううと締まる。追い出そうとしてくる尻壁を無理矢理押し開いて、こうくんに覆いかぶさってばっつんばっつん腰を打った。出る。ゴムしてるけど出来るだけ奥に出したくて腰を押し付けた。 「はあ、あっ……あ～……」 　自分の精液の生暖かさが纏わりつく。ゴム内発射にこうくんは恍惚と感じ入っていた。満足感の高いセックスに賢者タイムに入るどころか感情が高まってしまう。 　――離れたくない。 「こうくん」 　ずるんっと抜いてゴムを外して縛った。二回目なのにすごい量出てた。ゴミ箱に捨てて、もう一回箱に手を入れる。 「もう一回やろ」 　こうくんは返事をしなかった。ただ俺がこうくんの体をひっくり返すと、黙ったまま俺の首に手を回した。 　二回目は正常位で体を密着させてゆっくり揺さぶった。挿れたままぎゅっと抱きしめてキスをしてるとそれだけでいきそうになる。腰にこうくんの足が巻き付いてホールドされると、更に全身でこうくんを感じて、たまらなくなった。 　セックスが気持ちいいと頭の中が馬鹿になる。誰が相手でもそのときは好きだって思っちゃう。だから「こうくん、好き」って口をついて出た。こんなの誰とのセックスでもいつものことだ。 「好き、付き合ってっ」 　でも付き合ってまで言葉が続くのは初めてだった。気持ちが盛り上がってそのままピストンを深くし、三回目の射精をした。息も絶え絶えなこうくんは俺が腰振ってる間にいつの間にかいっていて、俺の体に縋りついていた。 「そういうこと言うやつが、一番嫌いだ」 　しがみついたまま泣きそうな声でそう言うから、冗談だと言えなくなる。 「そのときのテンションで言いやがって、ふざけんな」 「……ごめん」 　誤魔化すためにキスをした。もう力が入らないこうくんは嫌がりもせず受け入れて、おっぱいに手をやれば簡単に喘いだ。 　本気なのか冗談なのか自分でも分からなかったから、確かめるためにもう一回やった。最中にやっぱ付き合ってって思ったけど、言わなかった。