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第1話

「僕は君より先に死ぬけど、僕が死んだら刹那だけでも感傷に浸って呉れるかい?」 「――愚問ですね」  そう言ってドス君は笑った。  ――何て事無い閨での会話。  ドス君が如何様な意味でそう返したかなんて、考える必要も無い事だと思って居たんだ。  〝お目出度う〟、祝いの言葉と共にего правая рукаを受け取った。  其れは未だ仄かに温かくて、柔らかくて――其れは間違い無く君で在るのに、君がもう二度と僕に触れる事が無いと云う現実を識らしめる。    嗚呼、矢張り君より先に死ぬべきだった。  僕の手で君を殺したかった。唯一無二の親友で在る君の事を。  如何して。  君は斯うして死んだのに。    僕は自由処か――空を飛ぶ翼すラも、モウ。

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