2 / 4
第2話
若し君が僕だったなら、刹那だけでも感傷に浸って呉れたのだろうか。
Что имеем — не храним, потерявши — плачем.《何かを失って初めて、それがどれだけ大切なものだったか分かる》。
何時かの言葉で然う云うのだってね。
真の自由が欲しかったのに、僕は君に囚われて二度と飛ぶ事が出来ない。
せめて一秒でも疾く、君依り先に死ぬ事が出来たなら。
生憎だけれど僕は――君を喪った痛みは堪え切れそうに無いんだ。
「ドス君――」
だから踊ろうドス君!
君は斯様な迄に小さく為って了ったけれど。
片腕だけでも舞踏は出来るだろう?
ねえ、何時もの様に、閨で為て呉れる様に私の手を握り返して呉れ給えよ――強く、強く、強ク!
「――愛してるって、嘘でも佳いから云って欲しかったよ」
ともだちにシェアしよう!