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第4話
――其れは、自分を見失った僕が喪失為た世界で訊いた都合の善い幻覚だったのか。
ピィピィと、小さな鳴き声が轟音に紛れて訊こえた気が為た。
振り返り、大破した操縦席を只――眺める。
「пи」
再び訊こえた小さな鳴き声に、僕は――。
冷たく成った君を外套の中へと仕舞い込み、再び仮面を付けて道化に為って。
灼熱の炎に燃え盛る後部座席を覗き込む。
「――ねえ、葡萄酒駄目に為っちゃったね」
そして、外套を翻す。
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