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俺の抱き枕

俺は物心がついた時から眠ることが苦手だ。精神的なものなのか、何かの病気なのかは分からないが、とにかく眠れない。 「ふ、ぁ~~ぁあ。」 屋上への道すがら欠伸をかます。寝不足の所為か、頭痛やら吐き気やらでゆっくりとしか進めない。真っ直ぐ歩くのがやっとだ。 暫くして見えてきた鉄製の扉。後少しだと足に力を入れる。とはいえ随分と寝ていない身体は限界を訴えているようで、視界は少しづつ霞んでいく。俺は長年の経験から意識が途切れる事を予知し、決死の思いで扉を開けた。 ぐらつく足を踏ん張って日影へ。給水塔を背にズルズルと座り込むめば、チカチカと警告する視界。生きる為に睡眠を取れと脳が叫んでいる。 「………わかってるよ。俺だってツライんだ。」 眠気はすぐそこにあるのに、掴むことはできなくて。 あぁ、怖い。 意識を失うのが怖い。 「…………ね、るの…は……いや、…だ。」 視界が、黒く染まるその瞬間。 「センパイっ!僕のこと、抱いて下さい!!」 「………は?」 何かに押し倒された。

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