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第12話
結論から言おう。
俺と安達の関係は、見事、使用者とその専用抱き枕に収まった。安達は天にも昇る気持ちですと言いながら、両手を掲げて喜んでいた。勿論俺は、討論に疲れたのと、本当にこれでよかったのかという自責の念で一杯だった。
その日のうちにお互いの連絡先を交換し(この時も安達の喜びようは異常だった)、軽く決まり事を作った。
1.漣 温人 と安達 累 は恋人関係ではない
2.漣が寝たいときに安達を抱き枕とする
3.安達は代償として、2週間に一回漣と体を繋げることが出来る
4.基本的に、眠る場所や時間は漣に決定権がある
5.どちらかが関係を解消したい時は、即刻解消する
俺の意見4割、安達の意見6割のこの約束事。忘れることが無いようにわざわざメモまで取った。
こうして俺と安達の、友人でも恋人でもない関係が始まったのだ。
第一章 ~~俺の抱き枕~~ 完
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