11 / 99

第11話

俺の頭が容量オーバーを起こしている。 えっと、安達は俺を好きで?俺と付き合いたくて、告白して?で、俺は断って。なのに安達は喜んで??? 「もう、一体どういうことなの!!」 「えへへ~、先輩、大好きです!」 給水塔にもたれかかり完全に力を預ける。もう降参だと、ぎゅーっと抱きしめてくる安達を引き剥がして、問う。 「安達、何をそんなに喜んでるの?」 「ふふ、えへへへ~!先輩、僕に対して“恋愛感情は一切持っていない”んですよね?」 「あぁ、そうだけど。」 一語一句覚えていることに、ちょっと引く。何度考えてもその言葉に喜ぶ要素がないと思うのだが、安達は本当に嬉しそうに笑っている。 「恋愛感情“は”持ってないんでしょ?」 「うん。」 「それって逆に考えると、それ以外の感情“は”持ってくれてるんですよね?」 「……………うん?」 えーっと、成る程確かに、そういう考え方もできる………けど。 「こじ付け感半端ないな。」 「淡白な先輩からでた本心ですよ?先輩に興味持ってもらえてるだけで、嬉しいです!!」 なんというか、健気な奴だ。 また、抱き着いてくる安達。もはやコアラに見えてくる。腹に頭を擦りつけ、首筋で匂いを嗅ぎ、 「っておい、何してんだ。」 「えへへ~、先輩好きです~!!」 「…………もう好きにしてくれ。」 溜息が漏れる。出会ってから何度も思ったことだが、こいつの思考回路はどうなっているんだ。 するとベタベタと俺に甘えている安達が、突然こちらを見上げてきた。 ちょっと待て、嫌な予感がすごいんだが! 「先輩!僕、あなたの抱き枕になります!!」 「うん………っえ?っはあ!?」 なんでそうなる! 「先輩、寝るの苦手でしょ?でも僕を抱っこしてたら、寝れるって言ってたじゃないですか!!!だったら僕は、漣先輩専用の抱き枕になります!!!!!」 「待て待て待て待て。俺は暴君か!人をモノ扱いするのは、倫理的に駄目だろ。」 「でもSМプレイにそういうのありますよ?」 「そんな純粋な目でSMとか言うな。流されそうになるだろうが!」 「ぜひ流されちゃってください!!」 「誰が流されるか!」 確かに、安達がいれば不眠症は治るかも。いやいや、それとこれは別の話しで。でも昨日みたいに寝れることなんてこの先あるのか?だからって人を抱き枕にするのは駄目だって。 俺の中の天使と悪魔が争う。安達は、僕は抱き枕になれたら天にも昇る気持ちですよとか言っている。 いやだからそういう問題じゃないんだってば!!!

ともだちにシェアしよう!