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第14話・幸せ【完】

 ソーマが重い腕を上げてベッドボードのボタンを押すと、カーテンがゆっくりと開いた。  巨大な窓一面に、地上で輝く街の明かりが広がっていく。  横向きに寝そべりながら、ソーマはその景色を瞳に映した。 「せっかくだから、夜景も堪能しないとな」 「他の人にはこんなソーマは見せられないけど、夜景になら良いか」  コップを持ってベッドサイドにしゃがんだセイは、ストローをソーマの口元に持っていく。  二人が思いを交わし合い盛り上がった結果、ソーマは意識を失ってしまった。  目を覚ますと、気怠い身体は綺麗に整えられており、下着と白いローブを着た状態で布団を被せられていた。  声を出しすぎた喉を水が潤していく。 「あー……俺、本当に幸せ……」 「俺もだよ。でも今日はもう寝て、明日は退職届だけ出して帰ろう」 「え、明日?︎」  にこやかなセイとは正反対に、ソーマは目を剥く。  大きな声を出したつもりが、掠れてしまった。  ソーマの反応に、セイはキョトンと目を瞬いた。 「当たり前だろ。早い方がいい。さっさと辞めよう」 「いや無理無理! そんな急には辞められないし、引き継ぎとかもしないとだから! きっと分かんなくて困るから!」 「知るか困れ。お前の健康を大事にしない会社が悪い」 「セイー!」    頑なな婚約者を説き伏せて二週間の猶予を貰うのは、この次の日のお話。               おしまい

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