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第2話

彼との出会いはもうずっと昔。まだ俺も子供だった。 すべてを失い何もかもが嫌になり、なんならこの命さえも捨ててしまいたいと思っていた。 そんな時ふと小さな影が出来た。 その子はとても可愛らしく微笑むと俺の頭を撫でて大丈夫と声をかけてくれた。 彼にとっては何でもないことだったのだろう。 だけどそれが俺を生かしてくれた。 その後奮起した俺は事業を始めた。 従業員は俺と秘書兼友人でもある直哉の2人だけ。 コツコツと必死でやり続けたらいつの間にか大企業になっていた。 そんなある日父が経営している養護施設へ訪れることになった。 梅雨の始まり。空にはグレーの雲。今でも雨が降り出しそうなそんな日だった。 門の前に1人の少年が座っていた。 「まさか…」 そのまさかだ。あの時俺を救ってくれたはずのあの子だった。なぜ?どうして? あの時とは違い薄汚い格好。靴さえ履いていない。 「こんなところでどうした?」 出来るだけ優しく声を掛けると彼が顔を上げた。 あの時みたいな輝く笑顔はない。瞳に光はなく言葉さえ発しない 堪らなくなって彼を抱きしめ大丈夫と声をかけた。 彼は声も出さず涙を流した。 事情は分からない。だけど彼を救いたい。その一心で彼を引き取ることにした。 生活に困らないよう衣食住を与え学も身に着けさせようと家庭教師を雇ったりもした。 彼は学ぶのが好きなようで毎日その時間を楽しみにしていた。 その彼の笑顔を守りたかった…だけどある日気紛れで外に出してから俺は狂っていった 彼は外に出たがらなかったので出したことはなくそれも今考えると軟禁だ。 俺も本人も気付いてなかったけど 梅雨明けが発表されているその時間にふと窓の外に目をやると大きな虹が出ていた。 それを見た彼は 「あ!虹!ご主人様と同じ名前だね。」 俺の名は晴虹(はるく)だ。前に教えたことを彼は覚えていたのだ。 「…見てみたい?」 「うん!ご主人様みたいな虹みたい!」 そう言ったから手を引いて並んで空を見上げていた。 その時だった 「あれ?君見たことない!何歳?」 彼と同世代の女の子。ランドセルを背負っていた。 「もう学校終わったの?」 「学校?」 彼女の言う学校には行かせていない。家の中で授業を受け課題を出せば卒業出来るところを選んだから登校する必要がないのだ。 「まぁいいや!ねぇねぇ!お名前なぁに?」 「栗花落」 「つゆりっていうんだ!可愛い名前だね!君かっこいいからすぐモテモテだね!」 彼女はふふふっと可愛らしく笑うと手を降って駆けていった 彼が女の子と会話することが無性に腹が立って俺は無言で彼を家に入れた。 歪んだ俺の思いが暴走し始めた瞬間だった。 それから俺は外からしか開けられない鍵を部屋に取り付けた。窓も開けられないよう閉じた。 そしてその部屋で彼を…まだ幼い彼を組み敷く…そして…彼を貪った その日から毎日彼を抱いた。始めは恐ろしくて泣き出していた彼も日に日に慣れていったのか泣かなくなり快楽に溺れていった。

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