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4.君とのこれまでの日々を忘れることはないんだ

プログラムの最後、軽音部のライブは盛大な拍手により幕を閉じた。 夕人と速生の、高校生活最後の文化祭が終わりを告げる。 沈みゆく夕陽を見つめ、静かにーー…… 夕人は心の中で想う。 きっと、この日を忘れない。 これまでの、二人で過ごしたかけがえのない日々を。 笑い合い、(じゃ)れあって、触れ合った感触を。 未だ口にはできない、この想いを。 速生へと真っ直ぐ向かう、変えようの無い、確かなもの。 何年先の未来でも、きっと。 絶対に、忘れない。 記憶から、薄れることはないと誓える。 ーーーたとえ、離れてしまっていたとしても。

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