顔に跨り、鍛え上げられた六つに割られた腹筋から、下腹部の茂みの先に大きく膨らんで半勃った彼のモノがあった。間近で直視するのは初めてかもしれない。 　なんだかんだで、流されるままに渉太の前戯の後はそのまま最後までが多くて、心に余裕を持って彼の身体に触れることはなかった。 　明らかに太さのあるモノを自分の口に含めることができるのだろうかと息を呑む。触れて握ってみると、血管が浮き出てくるほど血色が増して膨らんできていた。大口を開けて口腔内に含んでみる。含めるので精一杯であったがそれだけでは彼が気持ちよくならないと分かっているので、渉太はゆっくりと舌先で先端を舐めながら、含んでいった。 「渉太っ……。大丈夫？」 「らいじょーぶれす。俺、うまくれきてますか？」 「うん、気持ちいよ……」 　低く息を吐きながら答える律仁さんに渉太は嬉しくなった。自分の口で彼を悦ばせることができているのは素直に嬉しい。 「ぁっ……。り、律仁さんっ」 　夢中で彼のモノを含んでいると、自らの先端が生暖かい粘膜に包まれて思わず、艶のある声を出してしまった。何となくこの体勢をとった時点で予想は出来ていたが、不意の悪戯に動揺する。渉太の呼びかけを無視して彼の口腔内に刺激され、悶えるほど下半身が疼く。しかし、押し負かされてばかりでは自分が恥を忍んでまで彼の顔に跨った意味がなくなる。 時折漏れそうになる声を抑えながら彼への奉仕を続けていると、臀部の奥の窄まりから指が侵入してくる感触がした。表面を刺激されながら、ほぐすようになぞられ出し入れされる。 「り、り、律仁さんっ。りょほうはっ……」 渉太が動揺していることなど分かっている癖に意地悪してくる律仁さんは狡い。奥に押し入った指が前立腺を刺激してくる度に、渉太の限界も近くなる。どうせ果ててしまうのなら律仁さんと繋がって果てたい……。 　そう思いながら、律仁さんの気持ちよくさせる余裕など既になく、快感に押し負けそうになりながら、喘いでいると中の指が引き抜かれた。 　腰を抱かれたかと思えば、布団まで反転させられると上体を起こした律仁さんが覆い被さってくる。汗ばんで掻きあげられた前髪から見惚れるほどの整った顔が現れる。 「渉太……。そろそろいい？」 「はい……」 　優しい律仁さんの手に前髪を梳き撫でられ、キスをされると彼と繋がる感覚に幸福を感じた渉太は腕を背中に回してしがみつくように抱き着いた。