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伝えたかったこと②

「っ、結婚しようっ」 涙声でダリウスが返事をくれる。 胸がじんわりと幸せに包まれて、俺まで泣きそうになってしまう。 まさか自分からこんな言葉を伝える日が来るなんて想像もしていなかったよ。でも、ダリウスを知れば知るほどに好きになっていった。 運命の番っていう関係じゃなかったとしても、きっと俺はダリウスのことを好きになる。 「苦しいって、ほら、泣くなよ〜」 ポンポンと背を撫でてやると、ダリウスが擦り寄ってきた。 「実は結構前からクリスの記憶を断片的に思い出してたんだ。ダリウスがどんな気持ちで俺に結婚しようって言ってくれてたのとか、色々考えてさ……」 だから結婚しようって伝えたわけじゃないんだけど。 「ツバサ、君はクリスじゃない」 顔を上げたダリウスが諭すように伝えてくれる。その言葉をダリウスから聞くと、ちゃんとツバサ()として立ち上がって行けるって思えるんだ。 「うん、ありがとうな」 きっと、その事を一番気にしていたのは自分自身だ。俺は誰なんだろう、誰として生きていけばいいんだろう。 俺はクリスじゃないのだと主張するたびに、クリスではない俺がこの世界にいる意味はなんなのだろうって探し続けていた。 その意味を教えてくれたのはダリウスだ。頬に手を添えると、求め合うようにキスをする。触れ合うたびに熱は広がって、俺の心の中にダリウスという存在を刻みつけていく。甘えるようにダリウスの下唇に吸い付くと、項を撫でられて、思わず腰が揺れた。 Ωだからなのかな、項や歯型を触られると身体が疼くんだ。もしかしたら、番であるダリウスが触れているからかもしれない。 服の下に手が滑り込んでくる。腰周りを撫でられてゾクゾクする。お風呂で温まった身体に、ダリウスのひんやりとした手が心地いい。 「俺も風呂に入ってくるから、寝室でいい子にして待っていて」 腹に響く低音で囁かれて、心音がかき鳴らされる。焦らされるとますます興奮するんだよな。 「はやくしろよ」 「仰せのままにお姫様」 額にキスをされて、横向きに抱えられると寝室まで連れていかれた。ベッドに寝かされると、ダリウスはそのまま部屋を出ていく。 ムラムラが止まらない。むしろ焦らされて更に昂っている。 ベッドシーツに頬をつけると、ダリウスの匂いがして下半身からトロリと液が溢れてきた。もっと欲しい。立ち上がりウォークインクローゼットへと向かうと、服を引っ張りだしてベッドへと放り投げた。大量の衣類を積み上げ、服を脱ぐと真ん中へと埋もれるように潜る。胸いっぱいに香りを吸い込み、悦に浸った。 「はあっ、ダリウスっ」 蜜で濡れたペニスを服に擦り付けながら扱く。それだけで、脳髄まで快楽の渦に満たされるような心地がして、呆気なく果ててしまった。 「足りないっ、ダリウスが欲しいっ」 興奮したからか発情したように身体が火照っている。切ない熱を抑えたくて腰を揺らし続けると、またトロリと白濁が溢れてきた。 切なさに負けて後孔へと指を入れる。 「あぁ、あぅ、届かないっ」 もっと強い刺激が欲しいのに、自身の指では決定的な場所へは届かなくて余計辛くなった。うつ伏せになり腰を高く上げて、指を抜き差しする。ペニスが揺れて擦れるたびに、ガクガクと太ももが痙攣する。 「ふふ、すごいね。立派な巣ができているじゃないか」 声が聞こえて巣から顔を出すと、上半身裸のダリウスが近づいてくるのが見えた。鍛え抜かれた逞しい筋肉が、熱を帯びてほんのりと蒸気している様がやけに扇情的で喉が鳴る。

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