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ずっとそばにいて

力の抜けたままで透也になにもかも任せている間に、気づけば寝室に寝かされていた。 「あ、あの……」 「大丈夫ですよ。大智はただ気持ちよくなっていてくれたらいいですから」 「でも……」 もうすでに何も動ける気がしないんだけど……。 「心の声が漏れてますね。でも心配しなくてもいいですよ。大智が気持ちよくなってくれると俺も気持ちがいいんですよ。俺たちは快感も全て連動してますからね」 「連動? ほんとに?」 「はい。だって、大智が気持ちいいと感じたら、大智の中が俺のをきゅーきゅー締め付けて来るんですから、最高に気持ちがいいですよ」 「――っ!!!」 「ふふっ。顔が真っ赤で可愛いですね」 「からかうなっ」 「揶揄ってませんよ。本当に可愛くて仕方がないんです」 ギュッと抱きしめられると、透也の匂いに包まれる。 もうそれだけでなにも考えられなくなるんだから、俺はもうすっかり透也にやられてる。 「透也の好きにしてくれていいよ。俺はもう透也にどこを触れられても気持ちがいいから、透也が気持ちが良くなるように動いてくれればいい」 「大智っ! ああ、もう本当に今日は手放すつもりないですから!」 「んんっ!!」 透也の心の叫びのような声が耳に飛び込んできた瞬間、唇を重ね合わされ甘い時間が始まった。 身体中にちくっとした痛みを感じながら、愛の証が付けられていることに興奮している自分がいた。 初めて身体中に赤い点々を見た時は、初めてのセックスに興奮して発疹が出てしまったのかと勘違いしてしまったけれど、これが透也の独占欲の表れだと知った時は、恥ずかしさよりも嬉しさの方が優っていた。 今日も身体中に独占欲の証をつけられながら、俺はあっという間に快感の波に乗せられていた。 乳首がこんなにも感じるなんて知ったのも透也から。 自分で触れたって何も感じないのに、透也に触れられるだけで身体中に刺激が走るんだ。 俺の身体なのに、俺の身体では無いみたい。 でもそれが全く嫌じゃ無いんだから不思議だ。 「ああっ、あっん……そ、こっ、きもち、いぃ……っ」 お風呂場で挿入られてまた蕩けたままの俺の中に透也のおっきなモノが押し込まれる。 あっという間に嵌りこんだ奥で擦られるだけでイってしまいそうなくらい気持ちがいい。 「ああっん、おくぅ……もっとぉ……っ」 「ああ、大智っ!! 可愛いっ、可愛いっ!!」 「ひゃあーーっん、きもち、いぃ……っ!!」 はしたなくねだれば、そこをピンポイントに攻められてとてつもなく気持ちがいい。 ガツガツと透也が腰を動かすたびに、ビリビリとした刺激が身体中を貫いていく。 ああ、こんな快感を知ってしまったら一人でなんてできるわけない。 「と、うや……っ、ずっと、そ、ばに、いてぇ……っ」 「くっ――!! ああっ、くそっ!! ぐぅ……ゔぅ――っ!!」 手を伸ばしてギュッと抱きついた途端、身体の奥に温かいものが広がっていく感覚があった。 透也が気持ちよくなってくれたんだ……。 俺はすごく嬉しかった。 だけど、 「俺だけ先にイったままで終われませんよ。このまま、いいですよね?」 と耳元で囁かれた途端、俺の中で透也のモノがさらにおっきくなった気がした。 「えっ、いま……イったのに……」 「大丈夫です。抜かずにそのままできますから」 そういうが早いか、また中をゴリゴリと擦られる。 「ああっん……やぁーっ、は、げしぃ……っ!!」 いつの間にか横たわった身体が右足だけ上に上げられていて、バチュンバチュンと勢いよく俺のお尻に透也の腰が当たっている。 正常位とは違うその当たり方に、中のおっきなモノもいつもと違う場所をゴリゴリと擦ってくる。 「やぁーっん、な、んか、ちが――っ、そ、こ……っ、へ、んっ」 「ああ、大智っ! 気持ちいいっ。気持ちいいっ!!」 「ああっ、だめぇ……っ、もぅ……イくぅ……っ!!」 あまりにも激しい快感に耐えられなくなった俺は、声を上げたと同時に蜜を吐き出した。 「ああ、可愛いっ、大智っ!!」 俺から蜜が弾け飛んだのを嬉しそうに見つめながら、透也もまた俺の中に蜜を放った。 ああ、あったかい……。 俺が女性ならきっと今ので妊娠してたかも……そう思うくらい、たっぷりと蜜を注ぎ込まれたような感覚を味わいながら、俺はそのまま意識を失ってしまっていた。 「んっ……ゴホッ……」 喉が渇いたな……そう思った途端、口の中に水分が流れ込んできた。 それを必死に飲み干すと、干からびた砂漠が一気に潤いを見せたようなそんな感覚がした。 「大智。目が覚めましたか?」 「えっ、あっ……と、うや……」 「水、まだ飲みますか?」 「ん、だいじょうぶ」 そう言いながら、透也の胸元に顔を擦り寄せると 「ふふっ。甘えん坊ですね」 と嬉しそうな声が聞こえる。 「いいにおい、するから……」 「嬉しいです」 「もうちょっと、ねたい」 「ええ、いいですよ。俺も少し一緒に寝ますから」 「ん、おや、すみ……」 そう返すだけで精一杯でうとうとしながら、自分の身体の向きが変わったことにうっすら気づいたけれど、透也が後ろから抱きしめてくれるのが嬉しくてそのまま眠ってしまっていた。 まさか、この時もずっと透也のおっきなモノが俺の中に入ったままだなんて、疲れ果てていた俺は知るはずもなかった。

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