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アルディアからの景色 1-1(聖女視点↓) | 沼田桃弥の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
アルディアからの景色
1-1(聖女視点↓)
作者:
沼田桃弥
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1-1(聖女視点↓)
黄玉紀
(
おうぎょくき
)
四六五年、全ての戦いを終わらせるために、聖女レフィーナは勇者一行とともに長旅の末、魔王ダルタロスがいる魔王城へ乗り込んだ。そして、魔物を薙ぎ払い、玉座の間へ続く長い階段を駆け上がり、勇者が扉をこじ開ける。 魔王は余裕を感じさせるかのように、足を組み、玉座に座って、私たちを待ち構えていた。勇者が魔王に向けて、怒声を張り上げ、鋭く睨む。 「魔王! 貴様はこれでおしまいだ!」 「愚かな人間どもよ。我を倒したところで、無意味だ」 「勇者様、話が違います! 私たちは魔王と不戦条約を結びに――」 「うるさい、黙ってろ!」 レフィーナの言葉を無視し、勇者たちは魔王に攻撃を仕掛けた。勇者たちの攻撃は容易に弾かれ、それらの衝撃は玉座の間の壁や柱にぶつかり、瓦礫と砂埃が舞い上がる。大魔王は風属性の下級魔法を使い、舞い上がった粉塵を一気に吹き飛ばした。 「――くそっ! 全然、攻撃が効かねぇ!」 「だから、無意味だと言っているのが分からないのか。我を倒して、何がしたい?」 魔王が勇者に問いただすと、勇者は剣を地面に投げ捨て、黙ったかと思えば、突然、狂気じみた奇妙な笑い声を発した。 「何がおかしい?」 「おかしい? あぁ、おかしいかもな。正直さ、勇者だからってなんだよ! 雑用ばっか押し付けてきやがって。俺はな、富と名声、そして、皆を屈服させる力が欲しいんだよ。それも魔王を倒せば、全て手に入る。『全ての戦いを終わらせるため』だと? 馬鹿げてる。俺たちを散々こき使っておきながら、自分たちはぬくぬくと暮らして……。役立たずばっかなんだよ。それを脱するためには、貴様を殺して、俺たちの前で王や民を跪かせるのさ」 「勇者様、おやめください!」
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沼田桃弥
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